松田争奪戦にホワイトソックスも参戦!
ソフトバンクから海外FA権を行使して、メジャー移籍を視野に入れている松田宣浩内野手(32)にホワイトソックスが関心を示していることが、日本時間9日、米国メディアの報道によって明らかになった。テネシー州ナシュビルで開催されている大リーグのウィンターミーティングの第2日目に、敏腕記者として知られるCBSスポーツのジョン・ヘイマン記者が、「日本FA選手の松田について話している球団の中に、ホワイトソックスとパドレスがいる」とつぶやいた。 松田については、かねてより、日本でトライアウトを実施、斉藤隆をインターンでフロントに迎えいれるなど、日本市場進出に意欲を持っているパドレスが熱心に調査を続け、フロント幹部が直接、面談するほど高い評価を下していたが、ここにきてホワイトソックスも松田獲りに名乗りを挙げた格好だ。 ホワイトソックスが松田に関心を示す背景には、長期にわたってこれと言った三塁手に恵まれてこなかったというチーム事情がある。地元メディアによると、2008年から計22人の三塁手をとっかえひっかえ起用してきたが、誰もパッとしなかった。この日、現地でメディアに対応したリック・ハーンGMは、「サードを補強する方法がありそうだ。明らかに、我々にとって必要な補強ポイントであり、我々を手助けしてくれる才能ある三塁手をチェックしているところだ」と語っている。 ただ、松田の名前が浮上した一方で、ナシュビルの地元メディアのCSNシカゴのダン・ハイエス記者は、松田の対抗馬として、アズドラバル・カブレラ内野手をFAで獲得する可能性と、アスレチックスのジェフ・ラウリー内野手をトレードで獲得する可能性を指摘している。
カブレラは、昨年レイズで打率.267、本塁打15本、58打点。一貫して遊撃手の選手だが、ホワイトソックスは、三塁もできると考えているようだ。また、ラウリーは、昨年打率.260、16本塁打、60打点と成績に遜色はない。 一方、WBCなど国際経験も豊かで、本職の三塁手でもある松田は、昨年ソフトバンクで打率.287、本塁打35、打点94。本塁打に関しては、狭くなったヤフオクドームの恩恵に助けられたもので、メジャーに行けば、数字は若干目減りすると予想されるが、先のプレミア12では、米国戦で満塁本塁打を放つなど、その勝負強さは魅力。ホワイトソックスが、三塁補強の有力候補として考えるにふさわしい成績を残している。 近年は、西岡剛内野手(現阪神)、中島裕之内野手(現オリックス)らが大リーグで実力を発揮できなかった例もあり、日本人内野手の評価が全体的に下降気味。日本人内野手の獲得に二の足を踏む球団も少なくない。だが、ホワイトソックスは、過去に井口資仁内野手(41=現千葉ロッテ)が所属。2005年にはワールドシリーズ優勝に二塁手として大きく貢献した実績があるため、日本人内野手へのアレルギー症状はないのかもしれない。今オフはFA市場に三塁手が少ないという状況も松田の名前が急浮上してきた理由のひとつだろう。レギュラー待遇となれば、松田にとっては大きな魅力だ。