グルメに臨場感、誌面にAR活用 タウン情報もんみや 鉄板の肉、動画で堪能
栃木県内のグルメ、観光情報に強い「タウン情報もんみや」が、肉グルメを特集した6月号で、誌上に初めて拡張現実(AR)技術を取り入れた。QRコードをスマートフォンで読み取り、次ページのステーキ写真にかざせば、鉄板に乗った肉の動画を臨場感たっぷりに楽しめる。ネットの普及で紙媒体が苦戦を強いられる中、発行元の新朝プレス(宇都宮市旭1丁目)は「本を面白く、内容を充実させ、20~30代の新しい世代も狙っていきたい」としている。 鉄板にソースが触れ、ジューッという音と共に白く立ち上る煙。「(インスタグラムでライブ動画を配信する)インスタライブで『音がたまらない』『誌面から音が飛び出た』といったコメントがありました」と、同社メディア事業部コンテンツ開発課の橋本和芳(はしもとかずよし)課長(43)は興奮気味に明かす。 価格も改定し、ページを増やすなどして魅力アップに取り組んできた同誌。4月に偶然、AR制作の会社と出合い、「ページ(の写真)が動くのは面白い」とその導入を即決したという。 導入に当たって必要となる動画撮影だが、動画には10年ほど取り組んでおり、近年はインスタグラムでスマホに対応した縦型動画を発信している。重ねたノウハウに加え、今回、この会社から技術提供を受けつつ、設備投資を実施。誌上のAR制作は外注せず、4月にチームへ格上げされた動画制作などに当たるメンバーが行っている。 「お店に行っている気分を味わえるという声もあった」(橋本課長)と好評のAR。動画には写真の何倍もの情報量が入るとして、同社はグルメに限らず、キャンプ場や観光スポットの紹介、自動車などの広告、行政の観光PRといった外部の制作支援も構想している。 もんみや6月号は特集「気分は肉、一択」で、県内店舗のステーキやハンバーグなどを紹介している。A4変型、580円。