「ビール、もう一杯もらっていいですか」...写真週刊誌記者が目にした、伝説のストリッパー一条が午前八時から酒をあおる「衝撃の姿」
屋台のみんなにビールをおごるのが目標
一条は家族についても語った。 「息子には私から連絡をとらないようにしてます。所帯を持ってやっているしね。孫もあるし、その写真もあるしね。寂しい、寂しいけど、しゃあないですよ」 孫の写真を持っていたかどうかは怪しいところだ。ただ、ジョッキを傾けながら繰り返した「寂しい」の言葉にだけは、少なくとも真実があるように佐村は感じた。 2人の会話は約2時間続いた。一条は「ビール、もう一杯もらっていいですか」とねだった。 「あたしが稼げるようになったら、屋台のみんなにビールをおごってやるんや。それが目標です」 新人の漫才コンビだった中田カウス・ボタンにうな丼をおごり、スナックを開いたときは、客にタクシー代まで払ってやった一条である。ビールをねだるしかない現状をみじめに思い、寂しさも感じていたのだろう。佐村は言う。 「優しい人やと思いましたね。冗談もわかってくれるし」 一条はますます、酒浸りの日々を送るようになっていく。 『「もう、ここしかないんです」...金も健康も後ろ盾も失った元ストリッパーに、権力と闘う「政治活動家」が手を差し伸べたワケ』へ続く
小倉 孝保(ノンフィクション作家)