上市大雨、1時間146ミリ 観測史上最大 土砂で県道一時不通
●登山宿泊施設が一時孤立 富山県内は25日、大気の状態が非常に不安定となり、激しい雨が降った。富山地方気象台によると、1時間降水量は午後2時5分に上市町146・5ミリ、午後2時49分に黒部市宇奈月74ミリとなり、いずれも観測史上最大を記録した。気象庁は記録的短時間大雨情報を出した。上市町では同日午後2時ごろ、下田の県道、東種の町道でそれぞれ土砂崩れが発生。けが人はいなかった。この影響で、登山宿泊施設「馬場島荘」が一時孤立状態となった。 【写真】土砂崩れが発生し、走行できなくなった車両(左)と土砂を除去する作業車=25日午後4時45分、上市町下田の県道(土木会社提供) 立山町芦峅でも25日午後1時40分に1時間降水量が8月の観測史上最大の56ミリとなった。 富山地方鉄道本線は黒部市宇奈月町内山の内山駅で一時、線路が冠水し、普通列車が約4時間停止した。午後3時ごろから浦山―宇奈月温泉駅間で運転を見合わせ、バスによる代行運転を行った。 黒部峡谷鉄道(黒部市)のトロッコ電車は宇奈月駅設置の雨量計が基準値に達したのに伴い、徐行運転を行い、5本に最大11分の遅れが生じた。 上市町下田の県道では土砂が約30メートルにわたって道路を覆い埋め尽くし、通行止めとなった。県立山土木事務所が復旧を進め、25日午後6時半から片側交互通行となった。完全復旧は26日以降になるという。 上市町東種の町道も土砂でふさがれ、カヌーイベントの参加者ら約10人が一時取り残された。町が車1台が通行できるよう復旧し、参加者は帰路についた。町は町道を通行止めとし、26日以降、土砂を撤去する。 ●新幹線、一時運転見合わせ 北陸新幹線は午後2時54分ごろ、上越妙高―糸魚川駅間の雨量計が規制値に達したため、長野―富山駅間で約35分間運転を見合わせた。富山と名古屋を結ぶ特急2本が富山-高山駅間で運休し、約150人に影響した。 ●熱中症4人搬送 最高気温は富山市中心部32・5度など県内9地点で真夏日となった。消防によると、富山市で30~70代の4人が熱中症疑いで搬送された。