川崎幼稚園理事長ら、遺族宅7カ月ぶり訪問 遺影に手を合わせず 父親「悔しい気持ちになった」 面談継続を要望【牧之原・バス置き去り】
牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で2022年9月、送迎バスに園児の河本千奈ちゃん=当時(3)=が置き去りにされて死亡した事件で、運営法人「榛原学園」の増田多朗理事長(44)ら関係者が5日、同市内の千奈ちゃん宅を約7カ月ぶりに訪問し、両親と面談した。 千奈ちゃんの父親によると、訪問者は増田理事長、現川崎幼稚園長、元副園長と、事件当時のバス乗務員だった元派遣職員、元副担任の計5人。これまで面談を当面見合わせることを法人側が代理人を通じて遺族側に通告していたため、顔を合わせるのは元派遣職員を除いて昨年9月以来となった。面談が途絶えていることを父親がSNSで指摘したところ、訪問の申し出があったという。 父親は「遺族がどれだけ苦しく、つらい日々を送っているのか、相手側に現状を知ってもらう必要がある」として、昨年9月までおおむね月に一度のペースで続いていた面談を継続するよう、改めて要望した。5人は「弁護士に相談する」などと回答を保留したという。5日は千奈ちゃんの月命日。5人は千奈ちゃんの遺影に手を合わせることなく家を出たといい、父親は「すごく悔しい気持ちになった」と語った。 事件は当日バスを運転していた前園長の増田立義被告(74)、千奈ちゃんの元クラス担任の被告(48)=いずれも同市=が業務上過失致死の罪に問われ、23日に静岡地裁で初公判が予定されている。5日の面談に両被告は参加しなかった。
静岡新聞社