ワーナー・ブラザースが『パラサイト 半地下の家族』などを手がけた韓国のスタジオCJ ENMと提携 互いの作品をリメイクすることが可能に
ワーナー・ブラザースが『パラサイト 半地下の家族』などを手がけた韓国のスタジオCJ ENMと提携 互いの作品をリメイクすることが可能に
ワーナー・ブラザースが、あらゆるジャンルの英語および韓国語版リメイクへの扉を開く契約として、数多くの名作を手がけた韓国のスタジオCJ ENMと合意に達し、両社が互いの作品のリメイク版を開発・資金調達・配給することが明らかとなった。 「パラサイト 半地下の家族」画像・動画ギャラリー CJ ENMについてよく知らない人でも、おそらく同社が携わった映画を目にしたことはあるのではないだろうか。同社のライブラリには、ポン・ジュノ監督作(『パラサイト 半地下の家族』、『スノーピアサー』、『母なる証明』)や、パク・チャヌク監督作(『お嬢さん』、『親切なクムジャさん』、『オールド・ボーイ』)のほか、セリーヌ・ソンが監督して絶賛された『パスト ライブス/再会』など、世界的に成功を収めた映画がある。 一方、ワーナー・ブラザースのライブラリは、「ハリー・ポッター」シリーズからDCユニバース、『カサブランカ』のような古典に至るまで驚くほど膨大だ。現時点で、この契約を基に開発されるプロジェクトは具体的に発表されていないが、理論上は、ワーナー・ブラザースのライブラリにあるほぼすべての作品が韓国版リメイクの対象になる可能性があり、その逆も然りだ。 Varietyによると、この契約ではワーナー・ブラザースがCJ ENM作品の英語版リメイクで主導権を握り、CJ ENMは、ワーナ・ブラザース作品の韓国版リメイクで指揮を執るという。各スタジオがそれぞれのリメイク版を進める形となるが、Varietyは、もう一方のスタジオも、「プロジェクトの脚本家、監督、プロデューサー、キャスト、予算などのクリエイティブな決定」に関与すると伝えている。 ワーナー・ブラザースはすべての映画の世界配給を主導するが、韓国、ベトナム、インドネシア、トルコに関してはCJ ENMが配給を担当する。 ワーナー・ブラザース・モーション・ピクチャー・グループの共同会長・CEOのマイケル・デ・ルカとパム・アブディは声明にて、CJ ENMを「世界中の観客の共感を呼ぶ映画を手がける、韓国映画の強力な製作会社」と呼び、「ワーナー・ブラザース・モーション・ピクチャー・グループの提供する映画を世界中で拡大していくために、CJ ENMと提携できることを楽しみにしています」と述べた。 CJ ENMの映画事業責任者であるジェリー・キョンボム・コは、「このコラボレーションにより、隠れた名作を発掘して蘇らせ、現代の観客に感動的な物語を届けることが可能になります。大胆に進化し、創造し、最高レベルのストーリーテリングを推進し続けるアイコニックなブランドと提携できることは、素晴らしい特権です」と述べている。 堅苦しいビジネス用語が並んだ声明だが、非常に興味深い取引になる可能性があり、今後の展開に注目していきたい。 IGN USによる『パラサイト 半地下の家族』のレビューでは、「本作にはヒーローもヴィランもいない。代わりにあるのは巨匠監督が、持てる者と持たざる者の関係がなぜ変わらないのかを綴った、心が張り裂けそうになるような物語だ」と評された。 パラサイト 半地下の家族 2019年 監督:ポン・ジュノ 出演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、ほか U-NEXTの無料トライアルで観る ↗ オールド・ボーイ 2003年 監督:パク・チャヌク 出演:チェ・ミンシク、カン・ヘジョン、ユ・ジテ、ほか U-NEXTの無料トライアルで観る ↗
Alex Stedman