霊能力者名乗り殺害指示か 「卑劣極まりない」被害者の長男妻に懲役30年求刑 柴田町殺人事件〈宮城〉
仙台放送
去年4月、宮城県柴田町で男性を殺害した罪などに問われている男性の長男の妻と次男の裁判についてです。検察は11月19日、長男の妻に懲役30年、次男に懲役23年を求刑しました。 殺人などの罪に問われているのは、角田市の無職・村上敦子被告(48)と村上直哉被告(25)の2人です。2人は去年4月、柴田町西船迫の住宅で村上隆一さん(当時54)を刃物で刺して殺害した罪などに問われています。 敦子被告は村上さんの長男の妻、直哉被告は村上さんの次男で、裁判では直哉被告が殺人を認めた一方、敦子被告との共謀を否認。敦子被告は殺人も共謀も否認しています。 この裁判のポイントとなるのは謎の「霊能力者JUN」の存在です。検察は敦子被告が霊能力者JUNに成りすまし、直哉被告をマインドコントロールして殺害を仕向けたと主張しました。一方、弁護側は犯行当時、直哉被告は心神耗弱状態だったと主張しました。 裁判ではJUNの存在について、直哉被告、敦子被告それぞれがこう証言しました。 村上直哉被告(25) 「JUNは敦子ではない。JUNはあくまで助言してくれるだけで殺す決断は自分がした」 村上敦子被告(48)(JUNというアカウントでメッセージを送ったことは?) 「ないです」 19日、仙台地方裁判所で開かれた裁判では検察と弁護側による論告と弁論が行われました。 検察は直哉被告のスマホ解析などから、敦子被告が霊能力者JUNに成りすましていたことは推認できると指摘。その上で敦子被告が事件の首謀者で「人の命の重みを全く顧みず、殺害により経済的な利益を得ることなどをもくろみ、自分に心酔している直哉被告を手駒として自分の手を汚さないようにした卑劣極まりない行動には、極めて強い非難が値する」として、懲役30年を求刑しました。 また、直哉被告には精神障がいは認められず完全責任能力があるとして「愛する敦子被告との生活を維持したいという利己的な思いに基づくもので、父親を殺す重大な結果を生じさせた」として、懲役23年を求刑しました。 一方、弁護側は敦子被告が霊能力者JUNである決定的な証拠はないなどとして、殺人については直哉被告が単独で行ったものと主張、執行猶予付きの判決を求めました。また、直哉被告は劣悪な成育環境から呪いを信じるなどの主観のゆがみがあったなどとして、懲役9年以下の判決を求めました。 19日の審理の最後に2人は…。 村上敦子被告(48) 「殺人は共謀もしていないし、殺してもいません」 村上直哉被告(25) 「父に申し訳ない気持ちでいっぱいです」 霊能力者JUNの存在は?2人の共謀はあったのか?注目の判決は11月25日に言い渡されます。
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