高い?広島市の賃貸アパート 1、2人暮らし向け家賃は札仙広福で最高値
広島市内は家賃が高い―。そんな声を耳にする機会がある。調べてみると、1、2人暮らし向けのアパートの家賃が特に高いようだ。どんな背景があるのか、実態を探ってみた。 【グラフ】広島の賃貸アパートの平均家賃、他都市と比べてみると? 不動産情報サイト運営のアットホーム(東京)が公表する主要13エリアの賃貸マンション・アパートの平均家賃のデータで比べてみた。50平方メートル以下のアパートの家賃は、地方中核都市の「札仙広福」(札幌、仙台、広島、福岡)の中で、広島が最も高かった。 6月分でみると、広島市は30平方メートル以下の単身向けで4万9996円、30~50平方メートルの2人暮らし向けで6万5415円。東京や大阪を含む13エリアでみれば安い部類だが、札仙広福の中では最も高く、神戸市に近い水準だ。 最安の札幌市と比べると、30平方メートル以下で1万5932円、30~50平方メートルで1万9807円も高い。 アットホームラボ(東京)によると、広島のアパートは比較的新しい物件が多いことも、家賃が高い一因という。賃貸住宅管理の良和ハウス(広島市西区)の和田伸幸社長も「全国でも、広島は特に木造アパートを好んで建てる建設業者が多い」と実態を語る。さらに、広島は人口規模の割に平地が少なく、限られた土地に家屋が密集していることも家賃を押し上げているとみる。 広島の賃貸物件を巡っては、初期費用の高さも目立つ。同社によると、敷金と礼金の合計は全国平均1・03カ月に対し、広島市は2倍の2・06カ月。背景に、初期費用を多めに取る広島特有の商慣行があるという。 家賃にまつわる不満の声は、中国新聞社が4月に実施した広島県内の社会人109人を対象にしたアンケートでも目立った。広島の「イケてない」と思う点について、18人(16・5%)が「家賃が高い」と回答した。 夫婦でアパートに暮らす広島市南区の会社員女性(27)は、家探しで「市中心部から離れても家賃が下がらなかった」と振り返る。福岡や大阪と比べて「街の規模と家賃相場が釣り合っていない」と漏らす。
中国新聞社