優れるな、異なれ…就任7年目で初、王者・神村の8連覇を阻み全国高校サッカーの扉を開いた 41歳監督の思いと素顔に迫る
■「かお」 全国高校サッカー選手権に挑む鹿児島城西の監督、新田祐輔(にった・ゆうすけ)さん 【写真】〈関連〉全国高校サッカー選手権県予選決勝の後半、粘り強く守る鹿城西イレブン=白波スタジアム
鹿児島城西高校のチームカラー青のパーカを着た指揮官は、交代選手を熱い抱擁でピッチに送り出す。「信頼と尊敬の念を伝えるため。握手よりお互いの気持ちも伝わる」。期待に応えた選手が11月の全国高校サッカー選手権県予選で優勝。28日に開幕する選手権に監督として初めて出場する。 同校卒業生で、選手、コーチとして全国大会に出場した。だが、2018年に監督に就いてからはライバルの神村学園に阻まれ続けた。 多彩な攻撃が特長の相手に対し「異なる武器がないと勝てない」と守備を極めることに活路を見いだす。それでも、夏の県総体決勝で先制しながら1点差で敗れるなど、思うように結果は出なかった。遠征先で全国区の指導者にチームづくりや戦術について教えを請い、練習を見てもらうこともあった。 選手権県予選決勝の相手も神村。組織的な守備で1点を守り切り、磨いた堅守速攻のスタイルが最高の舞台で結実した。「神村がいなければこんなにサッカーを勉強することもなかった。7年もかかってしまったが諦めずに続けて良かった」と振り返る。「卒業生が少しずつチームのレベルを上げてくれた」と感謝した。
週1回、県内の小中学生を同校に集めて開くサッカー教室が癒やしになっている。「勝敗に関係なく、サッカーは楽しいと再確認させてくれる」と笑う。日置市伊集院に妻、2男1女と暮らす。41歳。
南日本新聞 | 鹿児島
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