10・10空襲、早朝から夕刻まで9時間の爆撃 「体験者の証言知って」 那覇市歴史博物館で企画展 沖縄
沖縄戦が始まる前年の1944年に米軍が県内各地を爆撃した「10・10空襲」の那覇市内の被害状況を伝える企画展が那覇市歴史博物館で6日、始まった。10月28日まで。空襲から今年で80年になることに合わせて企画され、担当者は「戦前から空襲、沖縄戦までの歴史の流れを知ってもらいたい」と来場を呼び掛けた。 【写真あり】少年が見た戦中の沖縄 65日分の記録、暮らし多岐に
10・10空襲では、早朝から夕刻まで9時間、5次にわたる爆撃で軍人・軍属、住民ら少なくとも668人が死亡、768人が負傷し、那覇市は約9割の家屋が焼失した。 那覇市は71年1月から戦争体験記を公募、収集し那覇市史などにまとめており、これまでの体験記録から、10・10空襲の体験記を抜粋して展示した。軍からの命令が来ずにすぐにサイレンを鳴らせなかった市役所職員の証言などがある。 証言と併せて、空襲で焼け焦げた乾パンや割れたレコード、破壊された那覇国民学校の門札なども展示した。空襲後に那覇市が被害状況を調査した「那覇市戦時災害損失調書並びに復興計画案」も公開された。かつて港町として栄えたモダンな那覇の街の、空襲前の様子も紹介した。 学芸員の山城みどりさんは「戦況を知らされていなかった住民が初めて戦争を実感した日だった。今では聞くことができない体験者の証言を知る機会にしてほしい」と話した。博物館は、那覇市のパレットくもじ4階。観覧料は一般350円、大学生以下は無料。午前10時~午後7時、木曜は休館。
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