「私が最後まで歩く」“姉の無念”を胸に競歩で急成長 女子高生ウォーカーが最後のインターハイで表彰台へ【愛媛発】
愛媛の期待の女子高生ウォーカーが驚異的な成長を遂げている。姉の無念を胸に始めた競歩は、高校の2年間で一気に全国トップクラスになった。急成長の理由は「日々努力!」。最後のインターハイで表彰台に立つため1歩1歩、着実に歩みを進めている。 【画像】大会に出場する度に記録を伸ばす岡田選手
わずか1年半で才能開花
オリンピックの正式種目でもある陸上の「競歩」は、歩く速さを競うシンプルで個性的な競技。この競歩に魅せられ、驚異的な成長を続ける女子高校生がいる。愛媛・八幡浜市にある川之石高校3年の岡田佳乃選手だ。 川之石高校3年・岡田佳乃選手: 私の姉が競歩をしていて、インターハイでラスト1周に入る前に失格してしまって、その姉の姿を見て、私がインターハイで最後まで歩き切ろうと思って競歩を始めました。 「姉の無念」を胸に岡田選手は高校から競歩を始め、1年半後の2023年秋にその才能が一気に開花した。9月の県大会では大会新記録で優勝すると、続く10月の四国大会でも自己ベストを更新し、5000メートルで24分11秒92の大会新記録で優勝を飾った。 勢いそのままで挑んだ全国大会では、15年ぶりに県高校記録を更新して5位に入賞。大会に出場する度に記録を伸ばし、全国トップクラスの選手へと一気に駆け上がった。 川之石高校 陸上部・池田英之顧問: 指導されたことを自分で吸収して、それをものにしていく。そういう力に長けているんだろうなと思います。前に推進力になるような歩き方が身についてきたと思います。
シンプルで奥が深い「競歩」
走らずに速く歩かなければならない競歩。歩くフォーム「歩形」には厳格なルールがある。 川之石高校3年・岡田佳乃選手: かかとからまず地面に接地して、そこから重心が真上にくるまでは膝は伸ばしたままで、次の足が出るまでは両足が宙に浮かないように。 競歩には、両足が同時に地面から離れてはならない「ロス・オブ・コンタクト」と、踏み出した脚が地面についてから垂直になるまで曲げてはならない「ベント・ニー」という2つのルールがある。違反すると失格になる場合もある。 必要なのはスピードに加え、正確なフォームを維持する技術と長距離を歩き切る強靭(きょうじん)なメンタル。シンプルなものの、奥が深い競技だ。 川之石高校3年・岡田佳乃選手: 前の大会よりも1分以上(タイムが)上がったりすることもあるので、自分の成長を見るのがすごく楽しくて、それが競歩の魅力だなあって思います。