"食"で外国人を呼び込む!市長自らシンガポールでトップセールス 志摩市のインバウンド誘致に迫る
市長自らシンガポールでPR
世界中から銀行やIT企業が集まり、経済発展が進むシンガポール。その都心にある百貨店で開かれたイベントで提供されているのは、伊勢エビやカキ。全て、志摩市からとれたてを運んできました。 【動画】シンガポールでは“刺身”や“すし”が特に人気!志摩市でカキの養殖を行う漁師がPRのキーマン【3分46秒~】 さらに、江戸時代から高い評価を受けてきた伊勢志摩のかつおぶしを紹介。削っているのは、元かつおぶし製造会社社長の橋爪政吉市長。市長自ら、シンガポールまでトップセールスに来た訳は「インバウンドの取り込み」です。 志摩は、美しい自然と海産物で知られ、観光も産業の柱ですが、2023年に宿泊した観光客約140万人のうち、外国人はわずか3万3000人。十分にインバウンド客を取り込めていません。それを増やすためのアジア各国へのトップセールスを行っていて、香港、タイに次ぐ3か国目が本命のシンガポール。1人当たりのGDPはアジアで1位。世帯の5%が資産1億円を超える"お金持ちの国"です。 シンガポールでは、日本の"刺身"や"すし"が人気で、スーパーにもたくさんの魚介類が並んでいます。イベントでは、単なる刺身ではインパクトに欠けると、カキと伊勢エビの刺身にイチゴのサルサソースを和えた一品や、鰹にジンジャーソースをかけたシンガポール風の"鰹のたたき"などを振る舞いました。試食した皆さんの反応は上々です。
観光業と水産業がしっかりタッグ
今回のPRのキーマンは、志摩の漁師・石川隆将さん。 (志摩市でカキの養殖を行う・石川隆将さん) 「商品を見てもらってファンになってもらって、旅行にも来てもらう。そういう人と人とのつながりを作っていくのが、これからのツーリズム(観光)には大事」 英虞湾で、カキの養殖をしている石川さん。昔ながらの稚貝を海中に吊り下げる垂下式ではなく、海面近くで箱に入れて育てる新しい方法で、カキを養殖しています。水深が深いと酸素が少なくなり、生育に影響が出ますが、この方法だとその心配はありません。 石川さんにとってシンガポールでのPRは、インバウンドだけでなく、輸出も狙いの一つです。 (志摩市でカキの養殖を行う・石川隆将さん) 「真空パックなので、1年くらいは全然平気です。おいしい時期に、おいしいものを"時間を止める"ことで、地元に来た観光客の人たちに、喜んでもらえるように心がけている」 食品の冷凍加工会社も経営する石川さん。今回、シンガポールで提供した伊勢エビやカキも、細胞が壊れず、解凍しても鮮度が落ちない冷凍技術で、一旦冷凍して運んできました。これで志摩の海産物の輸出にもつながればと期待しています。 (志摩市でカキの養殖を行う・石川隆将さん) 「観光業と水産業が、しっかりタッグを組んでいく。最終的には、インバウンドとして伊勢志摩に観光に来てもらうところにつなげたい」