103万円の壁より正社員 主婦(夫)層が理想とする雇用形態
先日の選挙では「103万円の壁」「106万円の壁」「130万円の壁」などなど、数多くある年収の壁を撤廃すると公約する政党が多かったが、こうした壁に対して実際に仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層はどう考えているのか。しゅふJOB総研が「望ましい雇用形態」をテーマにアンケート調査し結果を公開している。 それによると、まずもっとも望ましい雇用形態はとの問いに、「短時間非正規社員」が35.4%でトップ。「短時間正社員」が25.9%、「わからない」が11.3%と続いている。 一方で、家庭の制約などがなく、仕事のために時間が使えるとしたらもっとも望ましい雇用形態として、トップは「フルタイム正社員」で43.3.%。「短時間正社員」が24.8%、「短時間非正規社員」が11.5%と続いている。 回答者の声としては「制約がないのではあれば、最大に稼げる形態で働きたい」「家事育児などを気にせず仕事に専念できるならずっと正社員で働きたかった」「仕事は好きだけど、仕事以外に融通がつかなさすぎる。仕事の勉強につながるために早く帰ろうとしても許されない雰囲気はなんとかしてほしい」「育児や介護、家庭の運営のために一度正社員を離れてもまた正社員に戻れるような社会に変わってほしいです」など、そもそも家事や育児、介護などに費やす時間制約の壁に阻害されて、理想の働き方ができていない人がやはり多いようだ。 ただ、現実を考えて「短時間正社員なら家庭と両立がしやすい」「親の介護で働いていられないので、正社員は無理」などという人や「複数の仕事を掛け持ちして楽しみたいので、シフト自由・短時間が良い。雇用保険なども自分には必要ないので、正社員である必要がない」「短時間非正規社員が会社に縛られなくてもっとも良い」などと、正社員が必ずしも正解ではない人たちもいる。 年収の壁による手取りが減ることより、ワーク・ライフ・バランスを考え、主婦・主夫層にも働きやすい環境をつくることが雇用拡大につながり、それに合わせて企業側の負担も軽減できる政策を進めてもらうことが重要なのかもしれない。 出展:しゅふJOB総研が「望ましい雇用形態」の調査結果より
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