台湾客は消費意欲旺盛 八重山は観光インフラ整備を 台北駐日経済文化代表処那覇分処・王氏インタビュー②
―台湾から八重山を訪れる観光客のニーズは。 「沖縄を訪れる台湾の人たちはほとんどがツアーではなく、フリー客だ。年代に関係なく、買い物の意欲が高い。私の知人は去年と今年の2度、沖縄に来て100万円近く使った。宮古島でゴルフ三昧、高級ホテルに泊まり、高価なゴルフのクラブを買った。帰る前に私に『ウチナーンチュの皆さんに、我々が沖縄経済に貢献したことを伝えてほしい』と言っていた」 ―台湾との交流を拡大するために今後、八重山側で努力すべきことは何か。 「八重山で重要なのはインフラ整備だ。ハード面に関しては、与那国に免税店やホテルがあれば利便性が高まる。石垣はその点ではあまり問題はない。中国語の看板やお店のメニューが増えれば、台湾人にとって分かりやすくなるだろう」 「ソフト面に関しては、中国語を話せる人材の育成が必要だ。台湾の大学は八重山の人にとって入学しやすいと思う。日本の文部科学省に当たる教育部は、大学進学者への給付型奨学金を支給していて、沖縄県民枠が2人分ある。関心がある人は応募してほしい」 ―八重山と台湾東部を一つの経済圏にするという発想は、以前から八重山側にあった。なかなか実現できていない理由は。 「日本政府が国境を厳しく設定しているところがある。与那国島は日本最西端の島だが、CIQ(税関、検疫、出入国手続き)はコスト的に常駐が難しい。ただ、これから定期的に高速船が就航すれば、日本政府も規制緩和に動くかも知れない。台湾側では、八重山との交流を進める上での問題は基本的にない」(つづく)