なぜASEAN市場は中国の新エネ車を好むのか
【CNS】2023年以来、中国の自動車メーカーが東南アジア諸国連合(ASEAN)に根を張り始めている。なぜASEAN市場は中国の新エネルギー車(NEV)を好むのだろうか? 数か月前、インドネシア西ジャワ州のリドワン・カミル(Ridwan Kamil)知事一行は、上汽通用五菱汽車(SAIC-GM-Wuling Automobile)の本拠地である広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)柳州市(Liuzhou)を訪問した際に、中国の新エネ車がインドネシアで売れている「秘訣」を打ち明けた。それは地元の政策のサポートと市民のニーズに適合しているからだという。 リドワン知事は、上汽通用五菱汽車が生産する小型新エネ車は、インドネシアの狭い道路での運転に適していると述べた。 近年来、ASEAN諸国は自動車産業の電動化への転換を強力に推進しており、その市場は大きなポテンシャルを秘めている。同時に、電気自動車(EV)分野での技術優位性を活かし、中国の自動車メーカーは「海外進出」を加速しており、ASEANは中国の自動車「海外進出」の重要な目的地となっている。 「中国の新エネ車はハイテクとインテリジェント化を備え、外観も目を引くものだ」と、ミャンマーの自動車販売企業の営業マネージャーのアウンさんは述べている。 過去5年間で、中国の自動車ブランドのASEAN市場でのシェアは1パーセント未満だったものが6パーセント以上に成長した。特に2023年以来、中国の完成車および部品メーカーはASEAN地域への投資を急増させている。中国自動車工業協会のデータによると、1~11月期における中国の新エネ車の輸出台数は前年同期比83.5パーセント増の109万1000台だった。 アウンさんは中国の新エネ車のASEANでの発展に期待を寄せている。彼は、「現在、すでに16もの中国ブランドの新エネ車がミャンマー市場に進出している。その中でも、五菱、比亜迪汽車(BYD)などのブランドの新エネ車製品は供給が追いついていないほどだ」と語る。 中国の新エネ車の「海外進出」につれ、現地の経済や雇用の発展も進んでいる。上汽通用五菱汽車はインドネシアに8年間根ざしており、インドネシアで1万近くの雇用を創出しており、累計販売台数も13万台を超えている。 中国の新エネ車のより良い「海外進出」が可能となるように、中国とASEANは共同で新エネ車の人材を育成している。アウンさんはこのために柳州市に来て、柳州職業技術学院(Liuzhou Railway Vocational Technical College)と上汽通用五菱汽車が共同で開催する新エネルギー車海外アフターサービス技術研修に参加した。 しかし、業界関係者の見解では、中国の自動車メーカーがASEAN市場を開拓する際、関税の障壁は容易に解決できるものの、技術基準や認証ルールの変更は簡単ではないという。そのため、ASEAN標準化・品質管理諮問評議会(ACCSQ)は、ASEAN-中国自動車対話を正式に同評議会の協力範囲に組み入れることを承認した。(c)CNS/JCM/AFPBB News ※この記事は、CNS(China News Service)のニュースをJCMが日本語訳したものです。CNSは1952年に設立された中華人民共和国の国営通信社です。