4種の「スイートスポット」はコレ! レンジローバー・スポーツ P400へ試乗 雰囲気に合うマイルドHV
上品な雰囲気に似合う直6マイルドHV
L461型レンジローバー・スポーツの発売は、2022年の後半だった。改良を受けるにはまだ早いように思えるが、近年の自動車業界は一層のスピード感が求められている。ポルシェ・カイエンの競合として、アップデートが施された。 【写真】4種のスイートスポット レンジローバー・スポーツ 競合する大型SUVと比較 (134枚) 小改良を受けたばかりの、レンジローバー・イヴォークの試乗レポートをお読みいただいたなら、恐らく主な内容は想像がつくかもしれない。確かに、インテリアとインフォテインメント・システムの変更が中心ではある。 だが、パワートレインも更新を受けた。プラグイン・ハイブリッドでは、P510eと交代して、最高出力が増したP550eが登場。V8ガソリンターボを積むP530は、燃費を向上するべく、マイルド・ハイブリッドになった。 今回試乗したP400が搭載するのは、最高出力400psを発揮する直列6気筒ターボ。こちらもマイルド・ハイブリッドで、パワーではV8に及ばないものの、上品なレンジローバー・スポーツの雰囲気には良く合っている。 滑らかで安楽に2385kgのボディを進め、高速道路の巡航は至って静か。アクセルペダルを踏み込めば、控えめに迫力あるサウンドを響かせながら、56.0kg-mの最大トルクで軽々と加速してみせる。 ただし、内燃エンジンのトルクの谷を巧みにアシストするスターター・ジェネレーターながら、燃費はほどほど。試乗時の平均は、7.7km/L程度だった。ランニングコストを重視するなら、プラグイン・ハイブリッドも検討した方が良いだろう。
思わず舌を巻く能力の幅 1面のモニターへ集約
エアサスペンションはしなやかに路面の不整を吸収し、乗り心地は優しく落ち着いている。ステアリングの感触はダイレクトで、反応は適度に素早い。上質なパワートレインと、素晴らしいマッチングだといっていい。 全長4946mmの大きなSUVではあるが、市街地でも驚くほど扱いやすい。高速道路の追い越し車線では、清々しくシャープに走ってくれる。 加えてレンジローバーだから、オフロード性能は本物。レンジローバー・スポーツの能力の幅には、思わず舌を巻く。 さて、今回のアップデートの中心といえるのが、JLR(ジャガー・ランドローバー)最新のインフォテインメント・システムの獲得。エアコンやドライブモード、テレインレスポンスなどの操作が、1面のタッチモニターへ集約される、ピヴィプロ4が実装された。 ダッシュボードの中央には、緩やかにカーブを描く、13.1インチの大きなモニターが据えられる。レンジローバー・イヴォークと同様に。 少なくとも、インフォテインメント・システム自体のデザインは合理的。画面に表示されるサイドメニューから、エアコンやドライブモードへ1発でアクセスでき、表示されるサブメニューのアイコンは大きい。ひと目でタッチしやすいレイアウトだ。