児童養護施設にブランコなど遊具を 地域の企業の従業員が自ら設置 社会貢献の新しい形【広島発】
虐待などで心理的ケアが必要な子どもたちが身を寄せる広島の児童養護施設に、地元のホテルや企業の従業員とNPO法人が遊具を作り寄贈。新たな社会貢献の形を取材した。 【画像】社会貢献の新しい形
チャリティーイベントで集めた資金で遊具を設置
鈴木崇義記者: 施設のグラウンドには、遊具のパーツが広げられ、一つ一つ組み立てられています。奥では大型遊具のベースとなる柱も着々と組みあがっています 広島・東広島市にある児童養護施設「広島新生学園」に集まったのは、2022年に開業したヒルトン広島や地元企業の従業員とNPO法人のメンバー。 ホテルの開業1周年を記念したチャリティーイベントを2023年冬に開き、そこで募ったお金で児童養護施設に遊具を作ることを企画。 Q.これは何のパーツ? 参加者: これはブランコになるみたいです Q.手際いい 参加者: 意外と簡単。 ハンマーを手にしているのは、2023年のG7広島サミットでバイデン大統領が宿泊した際、話題にもなったアイスクリームを作った鷲見さん。 Q.お菓子を作るのとどちらが難しい? ヒルトン広島・鷲見真奈美ペストリーシェフ: こっちが難しいです。 このほか、施設に元々あったベンチや幼児向けの遊具の汚れを落とし、再塗装も。子どもたちの笑顔のために一生懸命汗をかく大人たち…。 この施設には現在、家庭での虐待などで心理的ケアが必要な子どもたち、およそ60人が生活している。
社会との交流が子どもたちを育む
広島新生学園・上栗健二さん: 養護施設のお子さんにとって、社会全体から育まれて成長することが、すごく大事。今回の遊具もそうだが、みなさん、こうやって遊具をつくられて、交流をしてくださることが、将来、子どもたちにとって、宝になるんじゃないかなと思っている 鈴木崇義記者: 子どもたちが、一斉に遊具で遊び始めました。かなり興奮状態で、本当に心待ちにしていたんだなというのが、よくわかります 今回、新たな遊具ができたことで、小学生以上の子どもたちが、思い切り自由に遊べるようになった。 施設で生活する子ども: ブランコを楽しみにしていました! 施設で生活する子ども: たくさん遊ぶと傷つくかもしれないけど、その傷も大切な思い出にして使いたい 施設で生活する子ども: 私たちのために、いろいろな人が力になってくれて、周りの人には感謝しかないです ヒルトン広島 サミュエル・ピーター 総支配人: 78のスポンサーからの寄附のおかげで、こういった遊具をつくることができました。こういったプロジェクトを成功させることができて、とてもうれしく思いますし、これからも同様のプロジェクトをどんどん行っていきたい 心理的ケアが必要な子どもたちを地域社会全体で見守り、育むには、養護施設だけでなく、地域の企業や団体の協力が大きな助けになる。 (テレビ新広島)
テレビ新広島