宮里藍の早すぎる引退に米国メディアからも「海外挑戦の先駆者」と惜しむ声
女子ゴルフの宮里藍(31)が29日、都内のホテルで記者会見を開き、今季限りでの引退を発表した。2006年から米ツアーに本格参戦し、岡本綾子の17勝に次ぐ9勝を挙げ、2010年には世界ランキング1位に立った。ただ念願だった米メジャーのタイトルにはこれまで恵まれず、今季に最後のチャンスをかける。米メディアも一斉に宮里の引退を報じた。 「ウイメンズ・アンド・ゴルフ」電子版は「元世界ランキング1位のアイ・ミヤザトが31歳で引退」という見出しで報じた。 記事は「元世界ランキング1位の宮里藍は、31歳という若い年齢であるが、月曜日の記者会見で引退を発表した」と書き始め、宮里のLPGAツアーや日本で残した足跡についてこのように振り返った。 「LPGAで9勝し、2010年には12週にわたってトップに立ったが、最近は不振におちいっていた。最後に勝ったのは2012年。日本ではまだアマチュアだった時代に日本ツアーで勝ち、十代のセンセーションを起こした。彼女の一流の名声にも関わらずメジャー大会では勝ったことがない」 記事では、宮里の人気についても、「宮里は、彼女の母国ではとても人気があり、彼女のキャリア絶頂期には、追いかけてくるファンを避けるために変装したこともあった。彼女の人気ぶりは日本の若いゴルファーたちを鼓舞し、日本のLPGAツアーへの関心を取り戻すための先駆者の一人となった。彼女を取材するために、いつも相当な人数のメディアがあちらこちらへ旅をしていたことでも知られている。全英リコー女子オープンでもそうだった」と伝えた。 またアメリカの「ゴルフチャンネル」も電子版で、宮里の引退を伝えた。 ゴルフチャンネルでは、宮里とともに戦ったステイシー・ルイスに取材をした。 ルイスは、「私はなんだか悲しい気持ちになっている。アイはとてもよい友達だから、彼女のこれからについて自分のことのようにわくわくもしている。彼女にはこれからもゴルフを発展させるための多くの機会があるはず。でも、彼女が数週間だけ出場しないのでなく、ずっといなくなるのは私にとっては悲しいこと」とコメントを寄せた。 ステイシー・ルイスは宮里が日本の女子ゴルフに与えた影響についても、「(彼女が日本の女子ゴルフに与えた影響は)言葉にするのは難しい。彼女は日本の女子ゴルファーたちが米国に来てプレーするためのドアを開いた。後に続く人たちにそれがどんなものかを見せてきた。彼女はここへ来て、プレーし、私たちのツアーのすばらしい代表だったと思う」と語った。