多部未華子“ゆくえ”×松下洸平“椿”×仲野太賀“赤田”の稀有な修羅場…男女間の友情を問う<いちばんすきな花>
多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠が“クアトロ主演”を務めるドラマ「いちばんすきな花」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系) の第6話が11月16日に放送。椿(松下)の家で偶然会ったゆくえ(多部)と赤田(仲野太賀)。“修羅場”に巻き込まれた椿の姿にクスっと笑いつつ、男女間の友情を考えさせられた。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】親友だった赤田(仲野太賀)との再会に驚くゆくえ(多部未華子) ■「男女間の友情は成立するのか?」をテーマに描く物語 社会現象にもなったといわれる2022年10月期のドラマ「silent」(フジテレビ系)のプロデューサー・村瀬健氏と脚本家・生方美久氏が再びタッグを組んだ本作。「男女の間に友情は成立するのか?」という永遠の命題をテーマに、違う人生を歩んできた4人の男女が紡ぎ出す“友情”と“恋愛”、そしてそこで生まれるそのどちらとも違う“感情”を描く。 学習塾の講師をしている34歳の潮ゆくえを多部、出版社に勤める36歳の春木椿を松下、美容師で26歳の深雪夜々を今田、コンビニで働きながらイラストレーターを夢見る27歳の佐藤紅葉を神尾が演じる。 4人が友だちとしての付き合いを進めていくなか、夜々から椿への“好き”が生まれ、また紅葉は幼なじみでもあるゆくえへの“好き”を昔から抱いている。人と人の間に生まれる友情と恋愛というテーマがゆっくりと、丁寧につむがれている。 そんななか第6話では、ゆくえが性別を超えた唯一無二の友だちだったが結婚でその関係を絶った赤田(仲野)と椿の家で再会した。 ■ゆくえと赤田の言い合いに椿がオロオロ… 予告映像から注目されていたのが、なぜ椿の家に赤田の姿がということだったが、赤田は保険の営業でたまたま訪れたのだった。そこにいつものようにゆくえが遊びにやって来た。 「彼氏?」と聞き、「違うよ。普通に友だちだよ」と返されても、「だってここ、この人んちだよ」と信じない赤田。それは、二度目がない人にプライベートなことを話せる椿が婚約破棄されたことを語っていたからだ。赤田は椿に「寂しさ紛らわすために潮のこと利用するのやめてもらえます?」と言った。 椿がゆくえを下の名前で呼んでいることを責めるなど、言い合いになるゆくえと赤田。 ゆくえが「自分には女友だちがいたのに、他人のそういうのは認められないんだ。男女が2人でいたら恋愛だって決めつけるんだ」と言うと、赤田は「そうじゃなくて、心配しただけだろ」と返した。 男女間の友情は成立する派のゆくえにとって、赤田が結婚相手の要望で自分との友情を断ち切ったのは寂しかっただろう。そのうえ、この再会で椿との関係を勘繰ってきたことにどうしてという思いが渦巻いたのかもしれない。 「何怒ってんだろう」ともつぶやいた赤田だが、自分とは別の男友だちができたことへの嫉妬だろう。ただ、去り際の「潮の恋愛遍歴全部知ってますけれど、春木さん、ぜんぜん潮のタイプじゃないですよ!」という捨てぜりふは、“余計なひと言”だった。 恋愛感情はまったくない者たちによる、友情の修羅場。火の粉が降りかかる椿のオロオロぶりにクスっと笑いつつも、男女間の友情と難しさを考えさせられる場面だった。 ■椿の決意に、ゆくえ、夜々、紅葉と共に視聴者も驚き そんな修羅場を経たゆくえの男同士や女同士の恋愛はそういう人もいるという考えができるのに、「男女の友情は成立するかって質問だと、みんな自分はこうって自己主張ばかりするでしょ。それがね、もうそういうことなんだよ。恋愛より友情のほうが、なんか、扱いが軽い。恋愛の話には慎重なのに友情のことになると無意識に他人の価値観否定しちゃってる」という自分も含めた振り返りも深いところをついている。 そして、物語はまたちょっと変化が起きそうな予感が。椿が引越しを告げたのだ。ゆくえ、夜々、紅葉にとって「部室」のような居心地のよさがあった椿の家。 椿が引越しを考えている場面が差し込まれてきたなか、椿には、ゆくえたちにとっても自分の家が居場所になっているという迷いがあった。「誰の気持ちを優先するかっていう優先順位の問題」と言う椿の思いに、弟の楓(一ノ瀬颯)は「その優先順位に自分の気持ち入れ忘れてんだよ。ちゃんとエントリーして」と助言した。「自分のエゴを出した方がうまくいくこともある」とも。 椿の家という居場所がなくなることで何か変化が起きるのか、ゆくえたちが築く友情の行方が大いに気になる。 タイトルが今回もトレンド入りし、SNSには「恋愛感情がない修羅場をこんな感じで表現するの面白かったし、赤田とのやりとりはちょっと切なかったなー」「友情修羅場笑ってしまった」「恋愛感情のない三角関係もなかなかややこしい」など“修羅場”への反響や、「最後びっくり。椿さん引っ越しするんだ」「4人はどうなるんだろう」というコメントが寄せられた。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部