今こそ遊びたい…スーファミ『ロマサガ3』がRPG史に残る「神ゲー」と呼ばれるのはなぜか
■本編から離れてハマる人続出のミニゲーム
また、『ロマサガ3』では、本編とは関係のないミニゲームが、それだけで一つのタイトルとして成立するのではないかというぐらいの豪華さだった。 まずは、トーマスが仲間にいる状態でプレイできる会社経営のイベント「トレード」。 これは、各地にある物件を買収し、資産を増やしていくというミニイベントなのだが、これがやりごたえ抜群。自己資金だけでは買収は難しく、様々なかけひき技を使ったり、買収した物件から資金を援助してもらったり、いろいろな方法で買収を進めていくのがとにかく楽しい。 また、ミカエルを主人公にしたときにだけ発生するイベントがかなり特殊で、玉座に座ると、住民から税金を取ったり、お金を使って産業を発展させたり軍備を整えたりする「施政イベント」を楽しむことができる。 そして、他国との戦闘になると、「マスコンバット」と呼ばれる、陣形や作戦を駆使して敵部隊を崩していく特殊な戦闘方法になる。 もはや戦国シミュレーションの『信長の野望』のような内容で、とてもRPGに用意されたミニゲームとは思えないクオリティ。本編を進めるのを忘れて何時間も没頭したというプレイ経験を持つ人も多いのではないだろうか。
■四魔貴族ら魅力的なボス
そして、『ロマサガ3』を語るうえで外せないのが、やはりボス戦のかっこよさだろう。 本作の主人公たちは、300年ぶりに発生した「死食」により異世界との避け目「アビスゲート」が開いた世界を救うため、かつて聖王によって追い返された「四魔貴族」と戦いアビスゲートを封印する旅に出ることになる。 強力な技を使ってくるこの四魔貴族を倒すのに苦労させられたプレイヤーもかなり多かったことだろう。 だが、四魔貴族を倒したものの、それはすべて幻影。本体は異世界「アビス」にいるため、主人公たちはアビスに向かい、四魔貴族と2度目の戦いに挑むのである。2度にわたる戦いは、ゲームファンの間で「神曲」とも呼ばれるバトルBGMと合わせて印象に残るものだった。 ボス戦のかっこよさが『ロマサガ』シリーズの醍醐味だが、『3』では四魔貴族以外にも「マクシムス」が印象的だったというファンは多いだろう。 神王教団という教団の幹部であるマクシムスの正体は、教団を乗っ取ろうとしている海賊のジャッカル。 主人公たちはマクシムスを追って砂漠の中にある神王の塔に辿り着くが、塔の中で仲間が次々と罠にかかり離脱してしまう。最終的にマクシムスのもとに辿り着いたときには、パーティは主人公1人だけに。 だが、ここからの展開が爽快だ。戦いが進むにつれ、離脱していた仲間が次々と加わり、最終的には5人パーティでマクシムスに立ち向かうのである。『ロマサガ3』の中でもかなり胸熱の展開であり、ぜひフルリメイクで見てみたいシーンである。 未経験のプレイヤーでも楽しめるほど魅力的な要素の詰まった『ロマサガ3』。2019年にリマスター版が発売されているが、もし『2』に続いてのフルリメイク版が実現すれば、きっと多くのゲームファンを虜にすることだろう。
ふたまん+編集部