【Playback箱根駅伝】第8回/4月開催で出場は5校のみ 早大がスケート部・窪田の快走で4年ぶりV
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第8回箱根駅伝総合成績をチェック
第8回(1927年/昭和2年) 5区間で区間賞の早大がライバルを圧倒 明大・八島健三は5年連続区間賞
年号が大正から昭和に変わって初めての大会。大正15年12月25日に大正天皇が崩御され、国を挙げて喪に服したためレースは延期に。4月9日、10日にようやく開催の運びとなった。だが、この時期はすでにトラックシーズンに入っていたこともあり、出場したのは早大、明大、中大、法大、日大の5校にとどまっている。 東京高師OBの金栗四三審判長の合図でレースがスタート。1区では2年ぶりの優勝を目指す明大が窪田武夫の区間新記録の快走で2位の早大に1分54秒の差をつける。 2区では早大の窪田正克が区間新記録の走りでトップに立つと、2位の明大に5分19秒の大差をつけた。窪田はスピードスケート部員ではあったが、長距離選手顔負けの走りだった。 早大は3区の玉川政吉、4区の小山勝太も区間賞を獲得してリードを大きく広げると、独走態勢を築く。午後3時過ぎ、花火の上がる中、5区の岡井豊が箱根小学校にゴール。早大が6年ぶりの往路優勝を飾った。 2位の明大は5区の八島健三が5年連続、5区では3年連続となる区間賞で追い上げたが、4区までのビハインドは大きく、11分31秒差をつけられた。 復路でも早大は9区の藤木勳が区間新記録を打ち立てると、残りの4区間も区間2位と安定した走りを見せて4年ぶり3回目の総合優勝。2位は中大と明大の争いとなり、10区で田代菊之助の区間新記録の快走があった中大が明大を抜いて2位となる。優勝した早大とは25分24秒4の大差があった。 報知新聞社で行われた優勝旗授与式では、アンカーを務めた早稲田の縄田尚門主将に優勝旗が手渡された。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部