年間160トンの処理見込む ヒジキの新加工場稼働 南房総(千葉県)
東安房漁業協同組合(佐藤光男代表理事組合長)が建て替えを進めていた、南房総市千倉町千田のヒジキ加工場が完成し、3月から稼働を開始している。煮窯の処理機能が向上し、漁業者の所得向上が期待される。 同漁協では、千倉と白浜の2カ所のヒジキ加工場を一本化し、加工処理の合理化を進めるとともに、経年劣化した施設を改修しようと、昨年7月に着工。今年2月29日に完成し、3月10日から稼働している。 南房総市のヒジキ漁は例年3月に始まる。大潮の時期に合わせて、千倉7地区、白浜14地区で組合員らが刈り取り、漁協が買い取る。新鮮なうちに釜ゆでしないといけないため、従来は豊漁になると夜通しの加工作業が必要になったり、天候との兼ね合いで漁が見送られたりする場合もあった。 旧施設の煮窯は、2トン2基と1・5トン2基だったが、新施設では2トン煮窯4基を備え付け。年間160トンの処理が可能。機能が向上したことで、漁業者の漁の機会も増える上に、豊漁のシーズンも日中のみの施設稼働で対応が可能になり、職員の働き方の合理化にもなる。 鉄骨造地上2階建て、延べ床面積1268平方メートル。総事業費は5億2599万円。 今年は3、4月で約120トンを処理。漁協では「加工場が新しくなったことで、漁業者の所得向上も期待できる。漁業者の生活の支えとなるよう励んでいきたい」としている。