骨髄性白血病で余命1か月の仮面ライダー好き少年 訪問の『ディケイド』井上正大が話す母の想いと本当の姿
■お母さんの想いは「病気に打ち勝つ目に見えない力を与えてあげたい」
弊サイトは、少年と母親との面会後に井上さんに話を聞いた。 ――最初に少年の話を知ってどう感じましたか。そして、どのような想いで会いに行こうと決意したのでしょうか。 井上 今回は、みんなの声が僕らまで届いて少年のための行動に移しました。最初は事実関係が分からなかったので、少年と母親にとって、何が一番求められているかを事前にリモートでヒアリングさせていただきつつ、いろいろな事を少年の母親から聞きました。 少年のお母さんの想いは1つで「病気に打ち勝つ目に見えない力を与えてあげたい」。そして、「もし旅立ってもいい時間を過ごさせてあげたい」――この想いがダイレクトに伝わってきました。それで、僕が少年を喜ばせてあげられるのは何かな? と考えた時に、サプライズしてあげたいなと思いました。 ――少年とお母さんにお願いされたことはありますか? 井上 お願いされたこと……お願いはされていないんです。だから僕の提案の中で好きなのを選んでもらいました。少年には内緒で、僕が持っていたディケイドの変身ベルトを届けに行きました。ちょうど『仮面ライダーディケイド』を観ていたみたいで、笑顔でいてくれたのが僕も嬉しかったです。あっ、少年からお願いされたことはありましたね。サインをお願いされたのでサインと少年に向けて一言書きましたね。 ――“一言”、それはなんと書かれたのでしょうか? 井上 「共に歩いていこう!」と書きました。 ――少年が今、懸命に生きていることはXから伝わってきました。直接お会いして感じたことを教えてください。 井上 とても明るかったです。ちょっと輸血は嫌だけど、後は楽しい、って言ってましたね。 僕はそんな彼を見て、本当の強さって明るくなるんだな、と思いました。もし僕が少年だったなら、他人と自分を比べて自暴自棄になってたり、やり場のないストレスを何かにぶつけたりしてるかもしれません。 そんな素振りは一切なく、僕から見た少年のイメージは、何かを極めた聖人のようでした。悟ってる感じというのか。 でも少年のような無邪気な笑顔もあって――これは、言葉では表現できないことで、しっかりとした強さと、母親との信頼関係がそこにはありました。