縄文杉は無事確認! 太古の森は力強かった 台風10号の爪痕、名所ルートは土砂や倒木で寸断 屋久島観光の早期回復願いガイドら有志が除去に全力
台風10号の影響で土砂崩れや倒木が相次いだ鹿児島県屋久島町では、名所の縄文杉や宮之浦岳、白谷雲水峡に入れない状況が続く。9~11月は秋の登山シーズン。基幹産業の観光に暗い影が差す中、山岳ガイドらは3日、早期復旧を願い縄文杉登山道で土砂や倒木を取り除いた。 【写真】〈関連〉大きな被害がなかった縄文杉=3日、屋久島町(屋久島観光協会ガイド部会提供)
縄文杉の登山口までの町道荒川線は全面通行止め。トロッコ道など登山道11キロも3カ所で大規模な土砂崩れが起きた。3日、21人の有志が約10時間かけ、ある程度の応急処置を終えたという。屋久島観光協会の中馬慎一郎ガイド部会長(52)は「縄文杉に被害はなく、あらためて森の力強さを感じた。来週までには再開してほしい」と期待した。 白谷雲水峡では推定樹齢3000年の弥生杉が折れる被害もあった。白谷雲水峡と宮之浦岳登山道に通じる県道や町道の復旧は見通せないままだ。 観光協会の後藤慎会長(51)が代表を務めるホテルでは約300人の予約キャンセルがあった。「海などほかの観光資源のPRにも力を入れているが、屋久島と言えば縄文杉とのイメージは強い。ここまで大きな影響が出るのは久しぶり。以前の状況に早く戻ってほしい」 森の散策が楽しめるヤクスギランドは倒木などの被害があったが通常営業する。この日は通常の倍以上の人が訪れた。東京都練馬区の会社員柏木俊祐さん(37)は「縄文杉を見たかったが、台風の影響なので仕方ない。巨木も見られて、屋久島の自然を十分満喫できた」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島