潔く「最後まで楽しく走りたい」 現時点で強制引退に引っかかってしまう、54歳の競輪選手・礒田義則
玉野競輪のナイター「おもちゃ王国杯&マリンホテルカップ(F2)」は5月1日、初日を迎える。初日チャレンジ予選1Rを走る礒田義則(54歳・熊本=63期)に話を聞いた。 今期も期末に差しかかってきたが、今節を走る礒田は現時点で代謝制度に引っかかってしまう下から4番目。 今期の初めに話したときには「もう今期が最後になる。点数がないから位置もよくないけど、まずは楽しんで走り切りたい。欠場とかはせずに最後まで走り切りたいね」と悲観せずに笑顔で話していたのが印象的だった。 当地は1月の2日目の一般戦で22年の10月ぶりの1着。3連単で11万台と大穴を提供したのだ。昨年の2月に西武園で大ケガをしてからなかなか苦しい戦いとはなったが、着に絡む機会も増えてきた。 「2場所、3場所前と準決勝に上がれたんだけど、2場所前の武雄では準決勝で頑張りすぎたのかぎっくり腰気味に…。3日目は徳永泰粋君のハコだったから付いていけば…だったんだけどね(苦笑)」 点数的にも3番手か4番手を選ばずに切れ目など、なかなか厳しい番組が多かっただけに、新鋭のハコ回りは嬉しかっただろう。話ながら悔しそうな表情を浮かばせていた。 現地点でのラストランは6月18日からの別府開催みたいだが、「本当は玉野でラストを迎えたかったんだよね。思い入れがあるというよりは海が近くにあるからね。別府も悪くはないんだけどね。しかも、玉野なら家族も泊まれるしね。でも、別府だとその後空いてしまうからね…。その後の補充、流用なんでも走る気はありますよ!」と一本でも多く、競輪選手としてレースを走りたい気持ちは伝わった。 代謝となるとどこか触れにくい話題という印象ではあるのだが、潔く「最後まで楽しく走りたい」と言う姿に、記者の気持ちは動いた。応援してくれるファンのためにも最後まで走り抜いて欲しい。 ちなみに、もう少しで地元の熊本競輪場が復活するが、それに関しては「ちょっと遅れてしまったから自分は間に合わないよ。でも、自分は間に合わなくていいんだよ(苦笑)」と全力で手をぶんぶんと振りながら遠慮気味に応えていた。(アオケイ・宮本記者)