出場できない仲間への思いを込めたステッカーを手に、レースへ士気を高める弘前公園RCのメンバーら＝6日午前、弘前市役所前

　「走る感動を、病気で大会に出られない仲間とも共有したい」。弘前公園ランニングクラブ（RC）のメンバーらは6日、青森県弘前市と西目屋村で開かれた弘前・白神アップルマラソンで、闘病中の仲間の名前を記したステッカーをウエアに付けて走った。 　同クラブはアップルマラソンに出ることを目的に2009年発足。毎週土曜日の朝5時、同市の追手門広場に20人ほどが集まり1時間程度、市街地を走っている。 　今年2月、メンバーの男性一人が重い病を患い、走ることができなくなった。幸いにも症状は快方に向かっているが、大会にはまだ出場できない。 　走れなくても感動を共有する手はないか－。メンバーの一人で男性と親しい成田泉さん（55）＝藤崎町＝は、ステッカーを思いついた。男性の名前を「7リ3ツ」と仲間内だけで分かるように書き、「みんなのために走る」という思いを込め「ランフォーオール　オールフォーラン」と記した。 　同日朝、成田さんはチームメートら約80人にはがきサイズのステッカーを渡した。メンバーは腹部や太ももの辺りに貼りつけ、青空の津軽路を駆け抜けた。 　昨年がんを患い、2年ぶりに大会に出た盛良人さん（52）＝弘前市＝は、闘病中の男性へ「今は日々の生活を送るだけで精いっぱいだと思う。徐々に体を慣らしていって、また笑顔で会いましょう」とエールを送った。 　成田さんは男性に朝撮影した集合写真を交流サイト（SNS）で送った。「いつかまた土曜日の朝に一緒に走れたらうれしい」と頰を緩めた。