台湾映画の連続上映企画が5月から10月まで全7回開催、日本初披露は6作品
5月から10月にかけて、全7回の連続上映企画「台湾文化センター 台湾映画上映会2024」が東京・台北駐日経済文化代表処 台湾文化センターで開催される。 【画像】“伝説の映画”と呼ばれた「逃亡者狂騒曲」デジタルリマスター版も 本イベントでは、日本初上映の6作品と、大阪アジアン映画祭で上映された1作品の計7本を上映。監督やゲストによるトークイベントもあわせて行われる。 ラインナップには、金魚の記憶になぞらえて男女3人がパラレルワールドで愛の物語を織りなす「金魚の記憶」、14歳の少年少女の痛ましい青春を描いた「少年と少女」、監督自身が書いたWeb小説を映画化した「ミルクティーを待ちながら」が並ぶ。ビビアン・ソンや香港のボーイズグループMIRRORのギョン・トウが出演した「ニューヨーク協奏曲」、出稼ぎ労働者のベトナム人青年が警官の発砲で死亡した事件を追うドキュメンタリー「9発の銃弾」、ベルリン国際映画祭に出品されたにもかかわらず、1997年の台湾公開後にすぐ打ち切られた「逃亡者狂騒曲」のデジタルリマスター版も日本初上映。妻の遺体を冷凍庫で保存しようとする夫と、その家族の姿を16mmフィルムの映像でつづる「春行」は東京プレミアとなる。 いずれも参加無料で、事前申し込みが必要だ。各回の申し込みはPeatixにて先着順にて受け付ける。上映スケジュールや申し込み開始日は台湾文化センター公式サイトで確認を。 「台湾文化センター 台湾映画上映会」は、2016年より台湾文化センターが主催し、台湾の“今”を描いた作品を紹介する上映イベント。本年度よりキュレーターに映画監督のリム・カーワイが就任し、リニューアルして開催される。華語圏の映画の上映イベントを企画する「慶應義塾大学日吉電影節」と、上映会・トークセッションを通して世界諸地域の社会・歴史・文化の理解を深めるプロジェクト「東京外国語大学TUFS Cinema」との連携企画も実施される。 ■ 台湾文化センター 台湾映画上映会2024 2024年5月~10月(全7回)東京都 台湾文化センター、慶應義塾大学日吉キャンパス、東京外国語大学府中キャンパス 料金:無料 ※事前申し込み制 <上映スケジュール> 5月15日(水)「金魚の記憶」 開演 14:45 会場:慶應義塾大学日吉キャンパス 5月24日(金)「春行」 開演 19:00 会場:台湾文化センター 6月29日(土)「逃亡者狂騒曲 デジタルリマスター版」 開演 14:00 会場:台湾文化センター 7月21日(日)「少男少女」 開演 13:30 会場:東京外国語大学府中キャンパス 8月25日(日)「ミルクティーを待ちながら」 開演 14:00 会場:台湾文化センター 9月25日(水)「ニューヨーク協奏曲」 開演 19:00 会場:台湾文化センター 10月18日(金)「9発の銃弾」 開演 19:00 会場:台湾文化センター ■ 王淑芳(台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター長)コメント 台湾と日本は互いに助けを必要とするとき、いつも家族や親族のように手を取り合って難関を乗り越えてきた。台湾と日本の友好の絆がこれからも強まり、文化・芸術を含む各分野での交流がさらに活発になることを望む。 台湾は地理的、歴史的な背景から、多様で深みのある文化を生み出し、独自の表現を形作っている。その中でも、台湾の映画作品は創作エネルギーが絶えることなく、台湾というこの島の多様な文化や生命力を表すものだ。 今年の台湾映画上映会は近年台湾で話題の作品をセレクトし、台湾文化の名刺として日本の観客により深く理解していただけることを期待している。今後、さらに多くの台湾映画作品が日本での劇場公開上映し、輝きを放つことを期待する。 ■ リム・カーワイ コメント 台湾映画の魅力とはなにか。 中華圏の映画の中でも他とは違うなにかがあり、日本の文化や流行の影響も強く受けながらも、日本映画ともまったく違うなにかがある。その“なにかが違う”ものこそ、台湾映画の最大の魅力でもあるが、それを具体的に説明するのはなかなか難しい。監督の演出や美学、俳優の芝居、物語の構成のすばらしさというだけでは語れない魅力があるのだ。 今回、「台湾映画上映会2024」のキュレーターに就任し、近年の台湾映画をまとめて観る機会を得た。そして多くの台湾映画を観て、台湾映画の魅力とは、おそらく台湾の風土と人情、歴史と深く関係していることを強く感じた。 本上映会では、“幻の映画”とも言われ26年ぶりに再発見された「逃亡者狂騒曲 デジタルリマスター版」から、現在台湾で絶賛公開中の最新作映画「金魚の記憶」まで、全7作品を上映する。多くの方に台湾映画を楽しみながら、“台湾映画の魅力”を発見してもらえることを願っている。