「こんなキャラいたっけ…」アツいだけじゃない! 美しいビジュアルに驚いた『魁!!男塾』の名キャラたち
■神々しさはあのフランス革命のキャラ…!? 「黒薔薇のミッシェル」
黒薔薇のミッシェルは“冥凰島十六士”の2番目の戦士として登場したキャラクターである。筆者は当時このキャラを見たとき、思わず「ベルばら!」と叫んでしまった。そう、ミッシェルのビジュアルは、池田理代子氏が描いた『ベルサイユのばら』の主人公、オスカルを彷彿とさせるのだ。 ミッシェルはナポレオンが着ているような豪華絢爛な軍服に身を包み、マントをはためかせている。これから激しいバトルが予想されるにもかかわらず、一人だけちょっと場違いな美しいオーラを放っているのが面白い。また、その美しい風貌にふさわしく、常に丁寧な言葉を使うのも特徴である。対戦相手の富樫に敗れた際も“見事です”と称賛しながら倒れる場面が印象的だ。 ミッシェルは攻撃スタイルもその華麗な外見にふさわしく、即死効果を持つ紫の薔薇を駆使する。富樫との戦いでは“冥凰島奥義 殺薔薇棘薫(キリング・ローズ・フレグランス)” を放ち、無数の美しい薔薇を飛ばして攻撃する。そのシーンは、まるで少女漫画の1コマのような華やかさがあった。 最終的にミッシェルは富樫との戦いに敗れながらも、彼を救う形で命を落とす。薔薇に包まれて眠るようなその姿は、最後まで気品を失わない高貴な男そのものであった。
■復活後の姿が美しい「蝙翔鬼」
蝙翔鬼は、大豪院邪鬼の元にいる“鎮守直廊三人衆”の一人である。登場当初は桃太郎たちと敵対する立場にあり、鎮守直廊に入ってきたJに対し足をコンクリートで固めて攻撃をするなど、卑劣な攻撃をすることが多かった。 さらに登場時の蝙翔鬼は細い眉毛で目つきが悪く、突き出たアゴが印象的で決してイケメンキャラではない。しかしのちに桃太郎たちの仲間となり、一緒に挑んだ天挑五輪大武會ではその印象がだいぶ変わった。目つきの悪い目元は美しい二重になり、アゴが目立った大きな顔もスッキリして美形になり再登場したのである。 そして、美しくなったのは外見だけではない。蝙翔鬼はそれまで義手に毒を仕込んで相手を追い込んだり、自分がピンチになると態度を変えて命乞いをするなど卑怯なキャラのイメージがあった。 しかし天挑五輪の戦いではその卑劣なキャラが一変する。蝙翔鬼はコウモリを操って攻撃するが、ケンタウロスとの戦闘でコウモリたちは一網打尽にされ、自身もユニコーンの一撃で心臓を射抜かれてしまう。瀕死の状態で彼は落ちたコウモリたちに「ゆ 許してくれ お前達をそんな姿に……」と懺悔し、優しさを見せる。そして“あとはたのんだぞ、月光……”と涙を流しながら仲間への信頼を託して亡くなるのだった。 登場当初は雑魚キャラのような印象が強かった蝙翔鬼。しかし桃太郎たちの仲間となったあとは、心身ともに成長を遂げ、美しさと誇りを備えた稀有な存在となった。 『魁!!男塾』は全体的に筋肉隆々のマッチョな男たちが中心の漫画だが、今回紹介したように美しくて華々しいキャラクターも登場する。 ちなみに今回紹介した3人は、いずれも美しい中国胴着や華麗な衣装、豪華なマントを羽織っているのにも注目だ。彼らの華麗な姿や、それにふさわしい独特な技の数々は、物語に優雅さと彩りを加えていると言えるだろう。美しいキャラが繰り出す攻撃や着こなす衣装にも注目しつつ、物語を再読してみるのもおすすめだ。
でかいペンギン