地域防災向上に取り組む学生団体「FROM」 その活動やメンバーの思いに迫る 岩手
IBC岩手放送
防災の発信に取り組む岩手県立大学の学生団体「FROM」。 4月に立ち上げられた団体の活動やメンバーの思いに迫ります。 【写真を見る】地域防災向上に取り組む学生団体「FROM」 その活動やメンバーの思いに迫る 岩手 (学生たち) 「防災に関する投票とか面白いアイデアがあれば出したいと思う」 防災について意見を出し合う学生たち。県立大学の学生団体「FROM」のメンバーです。 「FROM」は、地域防災の向上や防災に携わる人材の育成などを目的に4月、立ち上げられました。 その名の通り学生たちから大学の外へ防災を発信します。 団体には現在、20人の学生が参加していて、そのうち8人が防災士の資格を持つなど防災への意識が高い学生が集まっています。 主な活動は、住民などが参加する県内の自治体の防災・避難訓練の運営支援や情報発信です。 また週に1回行われるミーティングでは、避難所運営を体験するシミュレーションゲームを行うなど、実際に大規模な災害が発生した場合の支援を想定しながら活動しています。 メンバーの1人で3年生の及川希那さんです。 陸前高田市出身の及川さんは、東日本大震災での経験が団体に加入するきっかけになったと話します。 (岩手県立大学3年 及川希那さん) 「当時は小学1年生だったということもあって、周りの大人の人に助けられながら、何とか生き延びたという感じで、大学では防災に関わることを学んで、今度は自分が助けられる側になろうという思いがあって、団体に参加することを決めました」 2011年3月11日、及川さんの自宅は津波で流され、その後は避難所での生活も経験しました。その経験から防災の知識の大切さを感じたといいます。 (及川希那さん) 「震災の時に元々指定されていた避難所は津波でやられてしまって、もっと高台の避難所へ避難した経緯があった」「正しい知識を頭に入れておいて欲しいし、そのような備えが大事だと思う」 「FROM」の代表を務める3年生の福田睦晃さんです。 宮城県出身ですが、当時は山口県で暮らしていたため震災は経験していません。 自身が県外から県立大学に進学したこともあり、観光客など土地勘がない人にも寄り添う防災のあり方を模索しています。
(岩手県立大学3年 福田睦晃さん) 「本当に難しいところではあると思うんですが、そういう人たちにアプローチできるように、地域に愛されるような団体にしていければと思う」 団体のアドバイザーを務める県立大学・防災復興支援センターの杉安和也副センター長は、学生から防災を発信する意義を次のように話します。 (杉安和也副センター長) 「若い世代だからこそ思いつけるような別の視点を提供できる可能性がある人たち、それが今からの若い人たちなのではないかと期待している」 若者ならではの視点とエネルギーで、「FROM」は新たな災害の発生に備えます。
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