卓上で遊べる初代『スペースインベーダー』、ハピネットは夢空間【TGS2024】
45タイトル以上の新作ゲームが試遊できる東京ゲームショウ2024(TGS2024)のハピネットブースはお祭り屋台のようなにぎやかさ。タイトーの70~80年代のレトロゲームがぎゅっと詰まった「EGRET II mini(イーグレットツーミニ)」は、まるで小さなゲームセンターだ。 【関連画像】縦長画面のゲームに合わせて切り替えられる回転式モニター。簡単にくるっと回転できる。小さいながらもゲームセンターさながらの雰囲気を味わえる TGS最大級となる45タイトル以上の新作ゲームが試遊できるハピネットブース。お祭り会場のようなブースの雰囲気そのままに、大型ステージではガーリィレコードチャンネルのお笑い4人が『都市伝説解体センター』など話題のタイトルを生プレイ。野田クリスタル・伊織もえらがイカサマありのはちゃめちゃ対局を繰り広げる『東方幻想麻雀』や豪華ゲストによるミニライブなど、連日にぎやかなイベントでお祭り騒ぎである。 試遊コーナーのタイトルはジャンルもテイストもさまざまで百花繚乱(りょうらん)。かの堀井雄二氏の「堀井ミステリー三部作」の1つである『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』をリメイクした『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』や、「ウィザードリィ」第一作のフル3Dリメイク版『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord』など、懐かしくて新しい作品も多数。 ●昭和レトロゲームが海外ではCOOL そんな中でひときわ異彩を放っていたのが、本物の懐かしいタイトルが昔の大き過ぎるドッド絵そのまんまで動いていたタイトーのコーナーだ。展示されていたのは「EGRET II mini(イーグレットツーミニ)」。これは1996年に登場したアーケード筐体を卓上サイズで再現したミニ筐体型ゲーム機だ。本体には『スペースインベーダー』や『ルナレスキュー』『ルパン三世』など、1978~97年にゲームセンターで活躍した40タイトルが内蔵され、本体だけでゲームを楽しめる。 液晶モニターは当時のゲームに合わせた新開発の4:3の5インチLCD液晶。しかも、ゲームに合わせて横縦を切り替えられる回転式だ。SDカードによるゲームの追加も可能。現在、「アーケードメモリーズ」として10タイトルずつVOL.1とVOL.2が発売されており、24年12月19日には1982~1995年のタイトル10本を収録したVOL.3の発売も予定している。 このほかブースでは、ポリゴンゲームの先駆者的存在であるフライトシミュレーションゲーム『トップランディング』のアーケード版を試遊できるのに驚いた。こちらはEGRET II miniにも収録されている。「当社が保管する最後の1台」と語るタイトーの惠川哲雄プロデューサーによると、昨今のレトロゲームブームで「EGRET II mini」人気も過熱。本体はすでに品薄状態だという。 レトロゲームに熱い視線を送るのは、若かりしころにゲームセンターを荒らした日本のシニアだけではなく、海外からも注目が集まっている。「『スペースインベーダー』を配信させてほしい、『ニュージーランドストーリー』をリメイクしたいといった依頼はとても多い」と惠川氏。海外ではシニアだけでなく、若い層にも日本のレトロゲームはcool!cute!と人気が高いのだという。「タイトーというとレトロゲームのイメージがありますが、古き良き部分を残しながらも新しいゲームの可能性にチャレンジしたい。同時にわれわれは、やはりアーケードゲームへのこだわりと思い入れが強いので、クレーンゲーム一強の現在のゲームセンターに一石を投じられるようなアーケードゲームの開発にも力を入れていきたい」と、熱き思いを語ってくれた。 (文/永浜 敬子、写真/木村 輝) なお、日経クロストレンドでは「東京ゲームショウ2024特設サイト」を公開中です。ぜひ、ご覧ください。 ・日経クロストレンド「東京ゲームショウ2024特設サイト」 https://xtrend.nikkei.com/sp/tgs/
永浜 敬子