ドージャ・キャットっていったい何者? 「コーチェラ2024」ヘッドライナーを務めた唯一無二のスターの魅力
現地時間4月12日~14日、19日~21日にかけて開催されている「コーチェラ・フェスティバル」にてDAY3のヘッドライナーを務めるドージャ・キャット。“一発屋”に終わることなくバズヒットを連発させ、炎上すら乗り越えてしまう唯一無二なドージャの魅力を辰巳JUNKが深掘り。マニアックな日本文化のインスピレーションにも注目! 【写真】コーチェラ2024速報!Number_i、YOASOBI、ルセラたちのファッションと来場者のフェスコーデを総覧
デジタルネイティブ世代ならではのインスピレーション
1995年カリフォルニア生まれのドージャ・キャットは、インターネット育ちを公言するスター。本人いわく「引きこもり」で、16歳で高校を中退してからは1日中ネットにかじりついて音楽をつくっていたそう。
働いた経験がないまま17歳ごろレーベル契約に至り、2018年に、本名アマラ・ラトナ・ザンディル・ドラミニからとった1stアルバム『Amala』を発表。ちなみに、ドージャ・キャットという芸名は、当時吸いまくっていた大麻の別名と、大好きな猫の組み合わせ。
しかし、ブレイクスルーは内輪ノリで同年夏に出した楽曲「Mooo!」。牛になった気分を歌うシュールでドリーミィなローファイソングで、鼻にフライドポテトをつめて歌うシュールなミュージックビデオがバズっていった。
当初、ドージャ・キャットの作家性は、広範で断片的な情報を大量に接種しているインターネットネイティブ世代ならではのミーム的ミックスと評価されていた。「Mooo!」のビデオにアニメ映像、初期作「NINTENDHOE」にゲームキューブのテーマ音楽が挿入されているように、日本文化も彼女のインスピレーションのひとつだった。
影響源のひとつとして挙げられたのは、2000年に日本で放送されたテレビ番組『バミリオン・プレジャー・ナイト』の「ワンポイント英会話」というマニアックさ。最近もTommy heavenly6「Wait till I can dream」の動画を投稿するなど、アンテナの広さを発揮している。
確固たる実力&クロスオーバーな音楽
よくあるバズヒットの一発屋にならなかったのは、確固たる実力があるから。当人が主張したように、注目を集めるまで10年ものあいだ楽曲を自主制作していた。「Mooo!」にしても、ただのジョークソングではなく、ケリスやウータン・クランらによる牛関連のR&Bヒップホップ名曲を引用していく巧みな歌詞で構成されている。