不明の船長、弁天島で遺体で見つかる/大間
青森県大間町沖の津軽海峡で19日、大間漁協所属のマグロ漁船「第28光明(こうみょう)丸」(4.9トン)が消息を絶った事故で、行方不明となっていた船長の藤枝亮一さん(70)=大間町=が21日、同町沖の弁天島で遺体で見つかった。同日、青森海上保安部が発表した。 青森海保によると、午前9時55分ごろ、弁天島の大間埼灯台から北北西に約190メートル離れた海岸で、捜索していた漁業関係者が打ち上げられていた藤枝さんを発見。その後、家族が藤枝さんと確認した。 光明丸は19日、太平洋沖でマグロ漁を終えて帰港途中、弁天島付近で確認されたのを最後に連絡が途絶えた。藤枝さんと須藤愛教(よしのり)さん(55)=同町=が乗船しており、須藤さんは同日午後9時10分ごろ、海から引き上げられたが、死亡が確認された。 21日は午前7時前から捜索を再開。北海道函館市の戸井漁協所属の13隻を含め漁船約130隻態勢で津軽海峡を探したほか、陸上でもむつ市、東通村の沿岸まで範囲を広げて捜索していた。転覆した光明丸は同日午後、大間漁協手配の起重機船が横抱きする形で尻屋岬港へ航行した。同海保が事故原因や2人の死因などを調べている。 取材に対し、同漁協の小鷹勝敏組合長は「諦めかけていたが(藤枝さんが)見つかったことに安心した」と話した。22日以降、マグロ漁を再開する方針を示し「組合員は今回の事故を自覚し、気を引き締めて年末の漁に励んでもらいたい」と述べた。