新造船の完成近づく 来月の進水式でお披露目 天竜川和船下り【長野県】
「天竜川和船下り」を運航する南信州リゾート(飯田市時又)は、長野県高森町下市田の造船所で木造船2艘を新造しており、完成が近づいてきている。船体は出来上がり、椅子や段差といった内装の取り付け作業に移っている。順調にいけば4月6日に進水式を開いてお披露目する予定だ。 前運航会社の事業撤退による運行休止期間があった影響で新たな船の製造は3年ぶり。春の観光シーズンに向け、昨年12月に4人の船大工らが作業を開始した。 新造する2艘の全長は、既存の船より3メートルほど小さい約9メートル。コロナ禍を経て、1団体あたりの乗船人数が減少していることなどから小型化を図った。これまでの船は進行方向に対して横向きの座席だったが、正面向きに変更した。 また、初めてエンジンモーターを取り付けた。これまではできなかった川を上ったり、景勝地で長時間止まったりといった新たな楽しみ方を探っている。 船頭を務めながら船大工として造船に取り組む男性(42)は「3年ぶりの造船だったが意外と体が覚えていてくれた」といい「一生懸命ていねいに作ったのでお客さまから愛されて長く使われる船になったら」と思いを語った。 今月末に船の検査を受け、問題がなければ4月6日に同市松尾新井のリバーポート弁天で進水式を開く予定だ。