競合菓子メーカーの役員が悔しがるほど…キットカット「外装だけプラから紙へ」の秀逸な発表方法
■「できることから始めていく」が付加価値に 『キットカット』の外装が変更されると、SNS上では「#キットずっと」「#廃プラ問題」などのハッシュタグで、たくさんの賛同・応援メッセージが寄せられました。 「できることから始めてくださったネスレ日本さん、ありがとう!」 「キットカットって、紙パッケージに変わったけど、中身の個包装はプラスチックなのかなぁ~と思ったら、品質保持の点で使用してるって。少しずつ紙になるのかな」 半面、個包装も紙にしてほしいといった意見、外装が紙になったことで商品の総重量が増え、輸送コスト増につながるといった否定的な意見もありました。しかし、全体的には肯定的な意見や応援・賛同のメッセージが大多数を占めていたのです。 ■逆転の発想から生まれたプロジェクトのコンセプト 「完璧な100%」より「ちょっとを100人」に ---------- 豊島「ORGABITS」プロジェクト ---------- 豊島は1841年に綿花商として創業し、1918年に現在の会社〔豊島(株)〕として設立されたライフスタイル提案商社です。 この豊島が2005年に立ち上げたのが、「ORGABITS(オーガビッツ)」というプロジェクト。オーガニック(Organic)コットンを通して、皆でちょっと(bits)ずつ地球環境と社会に貢献しようという思いから生まれたネーミングです。 プロジェクト開始当初は、それほど普及していなかったオーガニックコットンを、少しずつ広めていくことが第一の目標でした。 このプロジェクトを何より特徴づけているのが、「1枚の洋服に使用されるオーガニックコットンの使用量について100%にこだわらず、10%以上を100人、1000人の人に届ける」というコンセプト。 「完全にオーガニックでなければオーガニックとは呼べない」という考え方に縛られるのではなく、まさにできるところから、ちょっとでもOKという逆転の発想から生まれたコンセプトです。