新型レンジローバーは東京のアスファルトで乗っても世界最高峰のラグジュアリーSUVだ! 2000万円台で味わえる“砂漠のロールス・ロイス”の進化とは
アップデートされた新型レンジローバーは、見ても、乗っても素晴らしかった。小川フミオがリポートする。 【写真を見る】新型レンジローバーの内外装(20枚)驚くほどスッキリとしたインテリアが未来的!
際立つインテリアのクオリティ
SUVは百花繚乱の気味があるけれど、いまもって他に類のない個性が光るのはレンジローバーだ。2024年3月に、ついに日本の路上を走り出した2024年モデルのD300に試乗。レンジローバーのいいところが凝縮したような乗り味に感心した。 レンジローバーの特徴は、というと、余裕ある車体と、高品質な内装と、すぐれた内外のデザイン、それに乗り味と、いくつもあげることができる。 エンジンバリエーションは豊富で迷う楽しみがあるものの、私個人として好きだなぁ、と、思うのは3.0リッターディーゼルのD300だ。ひとことでいうと、すばらしく気持ちのよいドライブが可能だ。 D300は3つのグレードがあり、すべて車体は「SWB(スタンダードホイールベース)」。標準といっても、2995mmもあり、そこに5065mmのボディが載せられている。圧倒的な存在感だ。 今回乗ったモデルは、D300のトップグレード「オートバイオグラフィ」。下に位置する「HSE」に対して、装備は豊富だ。 スライディングパノラミックルーフ、デジタルLEDヘッドランプ、24ウェイ電動フロントシート(クーラーやマッサージ機能内蔵)、リヤエグゼクティブクラスシート、イルミネーテッドトレッドプレート(ドアを開けたときの”敷居”にあたる部分)、34個のスピーカーを使う「メリディアンシグネチャーサウンド」などがオートバイオグラフィの専用装備。 2024年モデルの大きな特徴のひとつは、インテリアのデザインがさらに“進化”した点だ。従来のエアコンのダイヤルやオーディオの音量ダイヤルなど物理的なコントロールが廃止され、「Pivi Pro」と名付けられた13.1インチ液晶モニターのなかで操作するようになった。 コントロール類を可能な限り隠すのは、レンジローバーのデザイナーの望みだったようだ。「リダクショニズム」と、名づけられた、シンプルな美しさを追求するデザイン哲学にのっとった、今回の変更により、ダッシュボードやセンターコンソール、それにドア内張りといった部分に使われている素材の質感と色あいが際立つ結果になっている。 ドアハンドルは電動格納式で、しかもネイルが長いひとでも握りやすい形状だ。合わせてフットステップも電動で出てくるため、誰でも乗り降りがしやすい。このあたりの“おもてなし”はさすが世界最高峰のラグジュアリーSUV、と感心する。