【中越地震から20年】小千谷市出身・岡アナと小千谷市民が見る〝小千谷の20年〟【新潟】
10月23日午後5時56分、中越地震の発生から20年が経ちました。全村避難を経験した長岡市山古志をはじめ、被災地では犠牲者を悼み、黙とうが捧げられました。能登半島地震や9月の豪雨被害など、各地で災害が相次ぐ今、教訓を語り継ぐことが求められています。 【動画】【中越地震から20年】小千谷市出身・岡アナと小千谷市民が見る〝小千谷の20年〟【新潟】 小千谷市の今はー 岡拓哉UXアナウンサーも小千谷市の出身で、20年前、震度6強の揺れと長い避難生活を経験しました。20年が経過し、中越地震の経験はどう今につながっているか。小千谷市民のみなさんに伺うと、当時の教訓と意識の変化が見えてきました。 ■岡拓哉アナウンサー 「小千谷駅前の商店街です。20年たって震災当時の爪痕は感じられませんが、当時はこの道路も、商店街の外壁も、本当に大きな被害を受けました。」 ■髙野千佳子さん 「何となくね、ちょっと覚えていたいという気もしたりして…たまに遠くから来た人が、そういえばここ中越地震あったんですよねとかおっしゃる。」 中越地震で震度6強の揺れに襲われた小千谷市。最初の揺れからわずか1時間で、震度5弱以上を7回観測しました。19人が亡くなり、住宅被害は1万棟以上にのぼりました。 ■岡拓哉アナウンサー 「小千谷珠算簿記学校、そろばん教室ですが、まさにここで私、20年前に中越地震に遭いました。地震が発生した時は私、授業をこの待合室で待っていて、ちょうどここで、雑誌を読んでいるときに6強の揺れに襲われました。何人か子どもたちがいて、扉が外れてガラスが散乱して、本棚も崩れて、逃げるなんてことできず全く動けない、揺れが収まるのまでじっと耐えていた。」 「地震というものの怖さを知りませんでしたね。まず何が起こったのかわからない、動くこともできない。食料や水の備蓄も大切ですが、あの揺れがあった時には何もできない状態になるんだということを念頭に、その瞬間に身を守れる備えが必要だということは、私も教訓として持っている。」 ■前小千谷市長 大塚昇一さん 「(Q.印象深い写真は？)天皇皇后両陛下がご視察にいらっしゃったときにご案内させていただいた。」 前の小千谷市長・大塚昇一さんです。20年前、市の職員として災害対応に当たりました。 ■前小千谷市長 大塚昇一さん 「調達部長という役割、最初は食料・水・毛布など調達した。三日三晩は寝てないと思う…。」 最大で人口の7割に当たる2万9000人以上が避難を余儀なくされました。電話が通じず、情報が得られない中、避難所以外に身を寄せている人たちの把握が最も難しかったといいます。 ■前小千谷市長 大塚昇一さん 「まとまって避難されているところが何カ所あるのか把握するのに、記録を見ると4日かかったと書いてあるのと、5日かかったと書いてある。その間たぶん、自分たちでな何か食べていたりしたと思う。」 さらに、道路の寸断に加え車両や人が不足し、物資の運搬は困難を極めました。元日の能登半島地震の被災地でも同じような状況が見られたといいます。 ■前小千谷市長 大塚昇一さん 「ラストワンマイルをどうするかというか、手立てがない。だからコミュニティーの役割はとても大事で、しっかりしたコミュニティーは役員が市役所に足を運んできて、自分たちはこれだけほしいと持って行ってくれるが、その機能さえ果たせないコミュニティーも中にはあった。」 復興にあたり、地域のつながりが欠かせないと感じた大塚さんは、市民が参加できるワークショップを開催。小千谷の未来について話し合いを重ねました。 20年が経ち、中越地震で対応に当たった職員は半数ほどになりました。災害時の対応を学ぶため、定期的に研修会が開かれています。この日は、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県・大槌町の元教育長が、自身の経験を伝えました。 ■大槌町 伊藤正治元教育長 「(市民の)要求・要望・不満は、まさにみなさんに行きます。自分はどう動いたらいいか、何ができるか何をすべきか、だれに何を頼るかしっかりやっていかないといけない。大事なのはソフト面。」 ■入庁14年目 「自分がすべきことがある中で、なかなか現場がてんやわんやで何をしたらいいかわからない、災害になったらそうなるのだと感じた。」 ■入庁6年目 「当時の様子を聞きながら、自分が担当になった時はスムーズに動けるように常に心掛けて業務に努めたい。」 ■前小千谷市長 大塚昇一さん 「語り継いでいく、教訓や知見をつないでいくことが大事だ、こういう気持ちが続いていってほしい。」
