サマソニ前夜祭「ソニックマニア 2024」で観ておきたい注目アーティスト6組
長谷川白紙
23:05~23:45@PACIFIC STAGE
フライング・ロータス(Flying Lotus)主催のレーベル「ブレインフィーダー」から先月末に傑作「魔法学校」をリリース、THE FIRST TAKEの素晴らしいパフォーマンスもあって急速に注目度を増している長谷川白紙は、サカナクションとアルカ(Arca)の双方から大きな影響を受けている。そうした意味において、「ソニマニ」というフェスの文脈を象徴し網羅するアーティストと言えるだろう。演奏表現力はもちろん、とにかく曲が良く、複雑ながら超キャッチーな音楽性は予備知識なしでも惹き込まれるはず。アンダーワールドの終盤とフェニックスの前半にかぶっているのが残念だが、まだ迷っている方はぜひ。演者もフロアも熱のこもったライブになるはずだ。
坂本慎太郎
25:10~26:10@SONIC STAGE
坂本慎太郎は、元ゆらゆら帝国のギタリスト/ボーカリスト、という肩書きも不要なくらい優れた作品を連発し、バンド解散以来8年ぶりとなるライブ(2017年)を皮切りに、それ以前からは考えられないようなペースで活動を続けてきた。ソロ名義のライブは固定メンバーでのバンド編成で、独特のたわみと精密動作性を両立するアンサンブルは、サイケ版スティーリー・ダンとさえ言える至高の境地にある。脱力感と酩酊感を兼ね備えたグルーブ表現はジャンルを超えた最高級であり、これを深夜に体験できるのはこの上ないぜいたくだろう。参加客が踊り疲れてくる時間帯に登場するのも心憎い。単独公演は人気のためチケットを取るのが難しいので、観たことがない方はこのタイミングで観ることをおすすめする。
Nia Archives
25:30~26:30@PACIFIC STAGE
ニア・アーカイヴス(Nia Archives)は、近年のUKクラブシーンを代表するジャマイカ系のDJ/シンガー・ソングライター。「ドラムが曲の中で大きなスペースを占めていてまるで心臓のようなもの」と言うように、どの曲もジャングル/ドラムンベースのビートが標準装備的に鳴り続けているのだが、レディオヘッド(Radiohead)やブラー(Blur)といった90年代ロックからの影響も大きく、全体として優れた個性が生まれている。レゲエのフィーリングを備えたボーカリストとしても非常に良い味があり、ダンスミュージックとしても歌ものとしても楽しめる。1stアルバム「Silence Is Loud」リリース後初めての来日ということもあって期待大だ。