その話大丈夫? 権威や好意、欲望くすぐる会話の中に仕組まれたわな 1~8月に117件、被害総額10億9000万円 「見知らぬ人からお金の話」は要注意!
◆ ◆ ◆ 県警組織犯罪対策課は今年9月までに、うそ電話・SNS両詐欺に関与したとして9人逮捕したと発表した。いずれも受け子や回収役などの末端で、構成員の実態は判明していない。SNSを追跡し、携帯電話を解析するなどして捜査を進めている。 直接会わず文字情報だけでやりとりするSNS型詐欺は犯行を特定しにくい。詐欺グループの拠点も広範囲に及ぶため、捜査を難しくしている。県警組織犯罪対策課の重田克久理事官は「構成員同士もSNSで知り合うなど匿名性が高い。金の送付先を架空の口座に設定している場合もあり、足がつかないように対策をしている」と明かす。 県警によると、SNS型詐欺が増えている背景に、投資への関心の高まりや中高年へのSNS普及、人工知能(AI)によるなりすましの巧妙化などがある。生活安全企画課の後迫克章理事官は「手口は年々進化している。被害防止へ地道な啓発を続けていく」と話している。
◇SNS型投資・ロマンス詐欺 交流サイト(SNS)で投資話を持ちかけたり、親近感や恋愛感情を抱かせたりして金銭をだまし取る詐欺。投資詐欺は、SNS上で投資家や著名人になりすまして「必ずもうかる」などと言い、アプリを通じて外貨や暗号資産への投資に勧誘。指定口座への入金などを指示する。ロマンス詐欺は、マッチングアプリなどを介して交際や結婚を申し込み、関係継続を名目に金を要求したり、投資に誘導したりする。両詐欺は、相手を信頼させた上で長期間繰り返し金をだまし取るため、うそ電話詐欺に比べ被害額が大きいのが特徴。
南日本新聞 | 鹿児島