東京タワーの思い出つづったエッセイ666点 開業55周年で記念コンテスト
東京タワー(東京都港区)が23日、開業55周年を迎え、写真を集めて作った東京タワーのモザイクアートや、思い出をつづったエッセイコンテストなどの記念式典やイベントが行われた。 東京タワーは、関東一円にテレビやラジオなどの電波を届ける総合電波塔として誕生し、1958年(昭和33年)12月23日にオープン。高さ333メートルの優美な曲線を持つタワーは、人気観光スポットでもあり、東京のシンボルとして親しまれている。
モザイクアート
記念イベントは東京タワーの屋外特設ステージで行われた。まず5555枚の写真で作成したという東京タワーのモザイクアートが公開された。「私と東京タワー」をテーマにした写真を集めて作られ、高さは約2.4メートル。公開に立ち会った元モーニング娘。で女優の高橋愛さんは「水族館が好きで来ていたが、展望台まで上がったことはなかった。タワースタジオにはミニモニ。時代に来たことがある」と東京タワーについての思い出を語った。
エッセイコンテスト
続いて行われたエッセイコンテストの表彰式では、最優秀賞をはじめとする7作品の受賞が発表された。このコンテストは、東京タワーにまつわる思い出やエピソードを全国から募集したもので、東京タワーの高さの2倍の数字である666点の応募があったという。 上位入賞エントリーには、東京タワーのシルエットが大好きいう大滝有優さん(21)や、東京タワーの塗装工事に携わっていたという宍戸勝正さん(75)、開業当初の電球によるイルミネーションを信濃町駅で見たという当時劇団員だった黒津由子さん(80)、東京タワーでトレーニングをしていたというプロボウラーの中山律子さん(70)らがノミネートされたが、最優秀賞には、40数年前のタワー展望台で見かけた地方から働きに来ていたとみられる少年との出来事をつづった、大阪在住の小川知三さん(50)の「カンテラの光が揺れる時」が選ばれた。 審査員を務めた法政大学教授の稲増龍夫さんとコラムニストの泉麻人さんは、それぞれ「東京タワーは経済発展の象徴だった。高さ1位の座はスカイツリーに譲ったが、今はそれぞれが思いを持って個性を発揮していく時代」(稲増さん)、「東京タワーは眺めてもすごいが、眺めなくても形を思い浮かべることで、ある人は青春時代を思い出したり、少年時代や働き始めのころを思い出す。物理的なものではなく精神的なシンボルになっていると痛感した」(泉さん)と総評を語った。 東京タワー開業55周年記念エッセイコンテスト 審査結果発表