【インドネシア】来年後半にかけルピア安へ回帰=みずほ銀
インドネシアみずほ銀行は4日、首都ジャカルタのホテルで開催したイベント「みずほ会」で、2025年の対米ドルのルピア相場は年後半にかけてルピア安へ回帰するとの見通しを示した。同年末には1米ドル=1万6,200ルピア(約153円)まで下がると予測した。 為替セミナーに登壇したみずほ銀行アジア・オセアニア資金部の綱島正侑記氏は、来年後半のルピア安の要因として、米国の金利上昇に合わせてドル高圧力が強まるとみられることや、プラボウォ・スビアント政権の無償給食事業などによる財政懸念の高まりが予測されていることなどを挙げた。 米国では、トランプ次期大統領の政策(移民規制、保護主義貿易、減税)がインフレの上昇圧力を高めやすい内容であることからも、年後半にかけて利下げを停止する可能性があるとした。第3四半期(7~9月)にはインフレの再燃と利下げの停止からドル高が進展するとの見通しを示した。 インドネシアではドル高圧力の影響に加え、プラボウォ政権が無償給食や国立大の授業料無償化といった財政支出の拡大を伴う政策を掲げるも、具体的な歳入拡大策はなく財政赤字の拡大が懸念されるとした。第4四半期(10~12月)には財政懸念の高まりからルピア安に拍車がかかるのでないかと予測した。 イベント後半の講演会では脳科学者の茂木健一郎氏が登壇。人間が持つ「生きがい」をキーワードに、人工知能(AI)と人間の関係性について講演した。 みずほ会には400人超が参加した。