高速道路に人が…! 目視できても“事故回避”する難しさ 「後続車側」がリスクを減らすためにできること
事故回避の分かれ目…停止車両側の“適切な対処”とは
後続車側の刑事責任を評価する要素を踏まえても、万が一高速道路上で停車せざるを得ない状況に陥った場合は、停止車両側がいかに適切な対処をできるかが事故の分かれ目となるだろう。政府広報オンラインは、次のような対応をとるよう呼びかけている。 ①ハザードランプを点灯させて故障や事故の発生を周囲に知らせ、できるだけ路肩に寄せて停車する。 ②停止車両のハザードランプをつけたまま、すぐに乗員全員がガードレールの外など安全な場所に避難する。後続車に注意しながら、停車した車の後方の、後続車から見えやすい位置に発炎筒や停止表示機器を設置し(※2)、すみやかにガードレールの外など安全な場所に退避する。 ※2 停止表示機器を設置しなかった場合は「故障車両表示義務違反」(道路交通法第75条の11、道路交通法施行令27条の6。普通車で反則金6000円、違反点数1点)となる。 ③110番、道路緊急ダイヤル「#9910」、非常電話(高速道路上1㎞ごとに設置。受話器をあげると道路管理者交通管制室へつながる)のいずれかに通報する。
リスク回避のために「後続車側」ができること
万が一、高速道路を走行中に停止車両や車外にとどまっている人と遭遇した場合、後続車側が事故を回避する方法はあるのだろうか。 鈴木弁護士は「一般論としては、適切な速度で走行する、発炎筒を見たら警戒する、などが事故を起こさない対策として考えられますが、完全に事故を回避することは正直難しいと思います」と言う。 いつも通り車を運転していても、突然事故の“加害者”として刑事責任を問われるかもしれない――。不安を感じているドライバーへ、鈴木弁護士は以下のようにアドバイスした。 「事故に遭ってしまったときの対策として、ドライブレコーダーの設置と、任意保険への加入はしておくべきです。 ドライブレコーダーがあれば、客観的に事故状況を確認することが可能になり、事故状況によっては、回避可能性がなかったと判断され、刑事責任を問われないことがあり得ます。 任意保険に加入していれば、被害内容にもよりますが、保険金が支払われる見込みであることが考慮され、起訴されなかったり、起訴された場合でも量刑上有利に考慮されることがあり得ます」
弁護士JP編集部