年間「2万9000時間」を創出 キリン、業務特化型の生成AIプロジェクト始動
キリンホールディングスは、業務特化型の生成AIを活用したプロジェクト「KIRIN BuddyAI Project」(以下、BuddyAI) を開始した。国内の従業員約1万5000人が対象。第1弾として11月から「KIRIN BuddyAI for Marketing」をマーケティング領域で働く従業員へ展開。従業員がより付加価値の高い業務に専念できる環境の構築を目指す。 【画像で見る】「BuddyAI」展開イメージ
生成AIで年間「約2万9000時間」を創出 具体的な中身は?
近年、人口減少や少子高齢化といった社会課題を背景に、生成AIを活用したデジタルツールの応用範囲が広がりを見せている。同社は「生成AIが企業の競争力強化において不可欠な存在」だと考えているという。 そこでBuddyAIをマーケティング領域に導入することによって、国内キリングループのマーケティング業務に携わる従業員約400人の業務を効率化する。それによってクリエイティブな価値創造のための時間を確保できるという。年間で約2万9000時間以上の時間創出を見込む。 KIRIN BuddyAI for Marketingでは「エグゼキューション開発」「調査・分析」「汎用業務」のカテゴリーに分けた、キリングループのマーケティング業務に特化した約15種類のプロンプトテンプレートを用意した。 マーケティングの担当者は、業務に最適なテンプレートを選ぶことによって効率的に生成AIを活用。迅速かつ質の高いアウトプットを得られるという。さらにカテゴライズされたテンプレートを用意し、生成AIの使用に慣れていない従業員でも簡単に操作できるようにした。 BuddyAIは、業務担当者が生成AIを容易に活用できるようにすることで、生産性やスキルの向上を目指す。社内環境で構築した生成AIに、各業務領域に特化したプロンプトテンプレートを実装。業務データとの連携も進めていく。 マーケティング領域への導入を皮切りに、営業やR&Dなどの領域にも順次展開する予定だ。2025年末までには、国内全従業員約1万5000人への展開を目指す。 キリングループはChatGPTの社内環境構築や各種ツールの試験導入、社内浸透を進めることによって、生成AIの利用を促進してきた。KIRIN BuddyAI Projectを通じて業務効率化をさらに推進し、従業員が創造的な価値を生み出せる環境を整備することで、付加価値の高いサービスや製品の提供を実現していく。 (小松恋、アイティメディア今野大一)
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