人気ユーチューバー“鉄道系” 鐵坊主さん“地理系”おもしろ地理さん、石狩ロープウェー構想を現地W視察…実現性60%と40%に込めた期待と展望
北海道放送(株)
札幌市と北海道石狩市とを結ぶ新たな乗り物として注目される『石狩市のロープウエー構想』。その実現性を”あのYouTuber”が取材しました。 【写真を見る】人気ユーチューバー“鉄道系” 鐵坊主さん“地理系”おもしろ地理さん、石狩ロープウェー構想を現地W視察…実現性60%と40%に込めた期待と展望 ・鉄道解説系ユーチューバー 鐵坊主さん 「(身長は)184センチですけれど、(頭は)天井につかないですね。思ったより中は広いです」 ロープウエーのゴンドラの乗り心地を確かめるのは、HBCの情報番組『今日ドキッ!』でもお馴染み。カナダ在住、“鉄道解説系”ユーチューバーの鐵坊主(てつぼうず)さんです。 ・地理系ユーチューバー おもしろ地理さん 「あそこにバス停ある。あそこから奥に行って途中で左折する…」 想定ルートを歩くのは、道路やまちづくりに詳しい“地理系”ユーチューバー、おもしろ地理さんです。登録者10万人で『上位0.4パーセント』ともいわれるYouTubeの世界で、15万人を超える「銀の盾」の持ち主です。 2人の人気ユーチューバーが、石狩市のロープウエー構想を『もうひとホリ』します。 ・鉄道解説系ユーチューバー 鐵坊主さん 「(石狩市が想定する)3つルートがあるけど、一番(人の)流動が多いのが麻生ということで、(地下鉄)麻生駅に来て、実際にマチの様子とかを見たい」 『石狩市のロープウエー構想』は、札幌中心部への利便性を高めようと石狩市が1年ほど前に発表。 地図SS想定ルートは、石狩湾新港を起点に3つあり、1つは住宅街の花川地区を経由してJR手稲駅を結ぶルート。 もうひとつは地下鉄南北線・麻生駅までのルート。 そして地下鉄東豊線・栄町駅を経由して丘珠空港を結ぶルート。 整備費は、およそ262億円から303億円で、小規模の投資が魅力です。 このうち、最も需要が多いと予測されるのは『麻生ルート』で、その『麻生駅』周辺から取材スタートです。 ・鉄道解説系ユーチューバー 鐵坊主さん 「石狩庁舎に行くバスとか、さっきから見てると多い…」 ・地理系ユーチューバー おもしろ地理さん 「いろいろ路線も(各地を)経由して、最終的には花畔(ばんなぐろ)と石狩庁舎に行くので、時間的には1時間に(バスは)5~6本」 早速、麻生エリアの第一印象を聞いてみると… ・鉄道解説系ユーチューバー 鐵坊主さん 「ロープウエー自体は解決しなければいけない課題がたくさんあるが、何らかの(レール等を使う)軌道系のアクセスがあった方がいいというのは、これだけのバスの本数を見るとそう感じざるをえない」 札幌市出身、札幌市を拠点に活動する「おもしろ地理さん」は… ・地理系ユーチューバー おもしろ地理さん 「石狩市がロープウエーをメインとして考えているというのは理解したうえで、麻生から新琴似1キロもない短い区間をちょっと伸ばして、新琴似駅をJR地下鉄とバスが使えるハプにするとか、新琴似駅から新たな交通を考えるというのもありなのかな」 次に、ロープウエーの起点になる石狩湾新港へ向かいました。 そもそも『鉄道系』の鐵坊主さんが、なぜ、ロープウエーに関心を持ったのでしょうか… ◇Zip Infrastructure本社(福島県南相馬市) ・鐵坊主さん 「これはイスが今、座席が6席」 ・須知高匡社長 「(加えて)立ち6人を想定しております」 ・鐵坊主さん「思ったより広いですね」 石狩市が導入を検討する”自走式ロープウエー”。 開発を担う『ジップ・インフラストラクチャー』の須知高匡社長に、福島県の本社に招かれたのがきっかけでした。 ・鐵坊主さん 「支柱の高さはどれくらいになる予定?」 ・須知社長 「福島では最大、支柱の高さ10m、車両の下面が地面から5mくらい」 開発中の「ジッパー」は、12人乗りの自動運転で、最高時速は36キロ。建設費は1キロメートルあたり15億円程度で、これまでのロープウエーとは違いゴンドラごとに動力を搭載し、カーブや分岐もつくりやすく道路上に支柱を建てやすいのが強みです。 福島県では、試験運転を行う、およそ70メートルの『試験線』を建設中で、鐵坊主さんはこの新しい乗り物の可能性を探ろうと、今回北海道にやってきたのです。 ・鉄道解説系ユーチューバー 鐵坊主さん 「(麻生駅までの)ルート的には、やっぱこうなのかな…」 ・地理系ユーチューバー おもしろ地理さん 「ここに花川通がある。こっちに行ったらちょうど麻生の方に行く」 ・地理系ユーチューバー おもしろ地理さん 「石狩って風も強ければ、冬の雪の問題もあるという中で、(開発会社は)どう考えてたんですか?」 ・鉄道解説系ユーチューバー 鐵坊主さん 「風に関しては、問題にはならないと思います。ただ寒さに関して言うと、耐寒実験は当然(寒冷地の)北海道などでやらなきゃいけない」 北海道の『雪と寒さ』が課題と感じた2人。さらに、大きなハードルも… ・鉄道解説系ユーチューバー 鐵坊主さん 「道路上に(ロープウエーを)作るとなると、ある程度の広い道路があるのが前提条件。新港地区みたいに、それなりに道路が広ければいいが。この辺りに来ると市街地なんで、なかなか…。市街地だからこそ、ここを通すことの意味はあるけど…」 ロープウエーの支柱は、石狩市の想定では道路の中央分離帯に建てます。 もし、道路に中央分離帯がない場合は、拡幅工事などの検討が必要になります。 ルートの道路の状況も見ながら、2人は最終地点、JR手稲駅にやってきました。 ・鉄道解説系ユーチューバー 鐵坊主さん 「麻生もそうだし、ここ(手稲)もそうだけど街中に入ってから(駅や支柱の)建設スペースをどう捻出するのか、なかなか大きな問題…。ここ(手稲)のほうが駅は作りやすい」 現場を見た2人、出した結論は?2人の見立てをこちらにまとめました。 【鐵坊主さん】 『実現性60%』 実現には『脱酸素時代の新インフラとして、いかにビジョンを示すか』が大切。 人口減少、人手不足の時代の新しい公共交通になるのでは、と話しています。 【おもしろ地理さん】 『実現性40%』 人口5万人規模の石狩市が導入する交通機関としては『ロープウエーしかない』としつつ実現性は40%。 課題は、道路での『既存の交通との兼ね合い』、混雑している道路への影響を抑えつつ整備できるかが、実現のカギになると話していました。 「ジッパー」の開発、6月から実験線での試験走行が始まる一方、今後、北海道特有の雪への対策も進めながら市としては10年をめどに実用化を目指しています。
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