テレビに戻りたい…「朝ナマ」の誕生 最初は司会役をやるつもりはありませんでした 話の肖像画 ジャーナリスト・田原総一朗＜21＞
1つ目、深夜番組は、制作費の予算があまりないので、ギャラの高いタレントは出せない。2つ目、電車が動いていない時間に番組が終了すると、出演者を車（タクシーなど）で送らねばならず、また費用がかかる。3つ目、夜中に番組を見てもらうためには、よっぽど刺激が強い魅力的な内容にせねばならない―この3つです。
さっき話したようなテレビの特長を引き出すのに、僕は「討論番組」がいいと考えていた。それも生半可な内容じゃない。発言に〝生きるか死ぬか〟くらい、命をかける（地位や肩書を失っても構わない）意気込みがないとダメでしょう。ホンネむき出しのディスカッション、〝言葉による格闘技〟かな。
そこで先の3つの問題です。小田さんと話し合って、ギャラの安い文化人らを出す。番組のスタート時間は終電前の午前1時、終了時間は始発後の同6時までの5時間。内容はこれまでの常識やタブーを打ち破る刺激に満ちたものにする…。
当初、僕は司会役をやるつもりはありませんでした（※1回目の司会は、利根川氏、2回目は筑紫哲也（ちくしてつや）氏が務めた）。ところが、5時間の生番組を仕切るのはなかなか苦労が多い。
結局、お前（田原）がアイデアを出したんだから責任を取れよ、っていうことになったわけですな（苦笑）。（聞き手 喜多由浩）
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