選抜高校野球、2017年以来の雨天順延 選手ら室内練習場で汗
第93回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)は21日、予定していた第3日の1回戦3試合が雨のため中止となり、22日に延期された。以降の日程も1日ずつ順延されるため、決勝は4月1日になる。センバツの雨天順延は第89回大会(2017年)の決勝以来。 【雨天中止を知らせる甲子園球場の張り紙】 試合当日の21日朝に雨天中止が決まり、試合予定だった6校の選手らは阪神甲子園球場の室内練習場で約2時間ずつ汗を流した。 6校のうち4校は春夏通じて初出場というフレッシュな顔ぶれに加え、今大会は新型コロナウイルス感染拡大の影響で大会前の甲子園練習がなく、開会式への参加も第1日に試合がある6校のみに限られたため、選手らはこの日が初めての球場入り。6校の主将や監督は「甲子園の雰囲気を感じられ、予行練習ができた」と中止を前向きに捉えていた。 練習後、オンライン取材に応じた初出場の具志川商(沖縄)・喜舎場監督は「何もかもが初めてで室内での練習すら緊張したが、明日はスムーズに良いコンディションで入れる」と話した。粟国主将は「グラウンドにも入り、夢かなと思ってほっぺたをたたいたぐらい。わくわく感でいっぱい」と試合を心待ちにした。22日の第1試合で対戦する八戸西(青森)の小川監督も「天気の良いなかで気持ち良くやりたい。ファウルゾーンの広さやベンチの様子も実際に確認できた」と雨天順延でできた時間を有効に使っていた。 第2試合に出場予定だった福岡大大濠の川本主将は、宿舎を出発する直前に雨天中止を知り、「集中力、緊張感が切れないよう、しっかりチームで雰囲気を作りたい」。第3試合の東播磨(兵庫)・福村監督は「雨のおかげで予行練習ができた。明日は思う存分力を発揮してくれる」と話した。 一方で各地から駆けつけた応援団にはあいにくの雨となった。具志川商の喜舎場監督によると、観戦を断念し沖縄に戻る関係者から連絡があったといい、「応援の方々には影響は大きかった」と残念がった。長崎の離島から初出場の大崎・清水監督も「応援に来てくれた方々にご不便をかけて心苦しいが、選手たちには万全の状態でやらせたい」と複雑な心境をのぞかせた。【伝田賢史、川村咲平、尾形有菜】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。