ECBは年内に2回追加利下げへ、予想外の事態なければ-シムカス氏
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)が年内に2回の追加利下げを行うという仮定は、経済がECBの予想通り展開するなら正しいことになる可能性があると、政策委員会メンバーのシムカス・リトアニア中銀総裁が語った。
シムカス氏は1日のインタビューで、「データが予想通りであれば、年内に2回の追加利下げという期待は自分自身の考えと一致する」と発言。「ECBの金融政策は依然として極めて景気抑制的だ。3%を上回る金利は全て抑制的な領域だと自分は信じている。従って、ECBには一定の行動余地がある」と続けた。
シムカス氏はまた、ECB政策委員会はスタッフが新たな経済予測を提出する四半期に一度の会合だけでなく、全ての会合で行動する用意をしておくべきだと主張。
「7月利下げの可能性は消えたと思う」としつつ、「しかし将来的には、経済予測が出てくる会合だけに制限するべきではない。新たな経済予測の提示がない会合で利下げの必要があるとの見解で一致するなら、行動できるようにするべきだ」と論じた。
シムカス氏はポルトガルのシントラで1日夜から開かれるECBフォーラムに出席するに当たり、インタビューに応じた。
マクロン大統領の国民議会(下院)選挙実施決定以降、急騰したフランス債利回りについては、市場の「無秩序な」動きだとは見ていないとの認識を示し、「ECBは金融市場のさまざまな弱点に対応するためのさまざまな手段を考案した。これらのツールはあるが、現時点では必要ない。ユーロ圏の全ての国に金融政策が円滑に伝達されているからだ」と述べた。
原題:ECB May Cut Twice More This Year Barring Surprises, Simkus Says(抜粋)
--取材協力:Joao Lima.
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Mark Schroers, Alexander Weber