1日6分でOK。言いたいことを「瞬時に」言葉にするための言語化トレーニング
言いたいことをうまく表現できなくて、自分を不甲斐なく思うといったことは、誰にでも経験があるでしょう。 言いたいことを上手に言葉にできるだけでなく「瞬時」に言葉にできる方法があれば…。 そんなビジネスパーソンの背中を押してくれる言語化トレーニングの方法を、電通のコピーライター・荒木俊哉さんの著書『瞬時に「言語化できる人」がうまくいく。』(SB Creative)より紹介します。
コミュニケーションを磨いても「言語化力」は身につかない
世の中にはコミュニケーション術を説いた本があふれていますが、それらを読んでも「言語化力は身につかない」と荒木さん。 楽譜が読めるようになってもピアノが弾けるようにはならないし、レシピをしっかり覚えてもおいしい料理をつくれるようにならないのと同じ。伝え方のスキルをいくら学んでも、「言語化」の問題は解決できないということです。 そのために必要となるのが、言語化のトレーニング。 荒木さんがすすめているのは、A4サイズ1枚の「メモ」を秒速で書くというシンプルなトレーニングです。 言語化というと、頭で思い浮かべたことをすぐ口から発せられるようにトレーニングするイメージがありますが、まずは「メモ」をとることなのですね。ちょっと意外です。 「なんでメモ?」と思う方も多いでしょう。メモといえば、「記録のためのツール」というのが一般的な認識だからです。 しかし、私がこの本で強調したいのは「メモの本当の力はまったく別のところにある」ということです。それが「思考を言語化するためのツール」です。 (『瞬時に「言語化できる人」がうまくいく。』20ページ) メモを活用した言語化トレーニング。実際にはどのようにすればいいのでしょうか。
A4の紙に、何をどう書き出せばいい?
用意するものは、A4コピー用紙とペン、そしてタイマー。そして自分に自分への「問い」をひとつ立てて、その問いに対して頭に思い浮かぶことを書いていきます。 ただし、かける時間は1枚につき2分。これを1日3枚やること。合計で6分、これを毎日の習慣にする、というのが荒木さんが教える言語化トレーニングです。 2分と設定しているのは、忙しい人でも取り組みやすいことはもちろんですが、急な質問をされたときや締切が迫っているときなどでも「パッと」的確な言葉が出てくるための訓練になるからだとか。 頭の中の「曖昧なイメージ」を次々と「明確な言葉」に変えていく。こうして普段から頭の中の「明確な言葉」を増やし、「言葉の解像度」を高めていくことで、いざ必要なときに必要な言葉が出てくるようになるのです。 (『瞬時に「言語化できる人」がうまくいく。』21~22ページ) 言葉が何も思い浮かばない日もあるでしょう。そんなときは、とりあえず何でもいいから1つだけ書き出してみましょう。それがトリガーとなり、自然と言葉が出るようになります。 これを2週間も続けていれば、「あれ? 言葉がどんどん出てくる!」と効果が実感できるとのこと。どうでしょう、ほんとうにそうならぜひ試してみたくなりますね。 ここまでの内容が本書の「はじめに」に記されているから驚きます。後半にはさらに実践的な方法が紹介されていますので、言語化のスキルを磨くにはもってこいです。 ちなみに後半部分から少し補足すると、書き出す紙はA4のコピー用紙がおすすめ。 「言語化トレーニングをがんばる!」と意気込み、いいノートを用意したい気持ちもわかりますが、このメモ術は自分の思いや意見に気づき、言葉にするためのものであり、記録ではないので紙は捨ててしまってもOK。 できれば「ペンは自分が書きやすいと思うお気に入りで書いてみて」と荒木さんはすすめています。 メモを1枚を2分で1日3枚、365日取り組めば1095枚になります。 つまり、この時点で1095もの「問い」に対するあなた独自の「思いや意見」が言語化された状態でストックされることになるのです。 これだけのストックがあれば、あなたはどんなときでも「瞬時に言語化できる」状態になっていることでしょう。 (『瞬時に「言語化できる人」がうまくいく。』133ページ) >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! Source: SB Creative
ライフハッカー・ジャパン編集部