南海トラフ地震の可能性「特段の変化観測されず」 愛知、高知震度6弱地震で調査委が評価
愛媛、高知両県で最大震度6弱を観測した17日夜の地震について、政府の地震調査委員会(委員長・平田直東京大名誉教授)は18日、臨時会合を開き、南海トラフで懸念されている巨大地震の発生可能性について「平常時と比べ相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」などとする評価を発表した。 【地図で見る】今回の地震の震央と南海トラフ巨大地震の最大級の想定震源域 地震は17日午後11時14分に豊後水道の深さ39キロで発生し、マグニチュード(M)は6・6とされる。調査委がまとめた評価によると、今回の地震は、沈み込むフィリピン海プレート(岩盤)内部で発生した正断層型。 また、調査委が発表している海溝型地震の長期評価で、M6・7~7・4程度の地震が30年以内に発生する確率が高いとされる領域で起きたという。 発生から1週間程度は最大震度6弱程度、特に今後2~3日程度は規模の大きな地震に注意が必要としている。 平田委員長は「大前提として、南海トラフの巨大地震が起きる可能性は普段から高い。前触れなしに起きる可能性は非常に高いと考えており、十分に注意してほしい」と強調した。 南海トラフ沿いでは、M8~9級の巨大地震が今後30年以内に発生する確率が、平常時でも70~80%とされている。