地域災害拠点4年目 体制さらに充実 福島県二本松市の枡記念病院 DMATカーや自家水道システム導入
福島県二本松市住吉の枡記念病院は地域災害拠点病院として4年目を迎え、災害派遣医療チームの救急車(DMATカー)や自家水道システムの導入など、災害時に備えた体制を充実させている。18日には市民交流センターで公開講座を開き、災害に対する事前準備の重要性を市民と共有した。 講座は「災害が起きるとどうなるの?」がテーマで大勢の市民らが聴講した。太田守院長、三保恵一市長があいさつし、石川敏仁災害救急医療部長が「災害救急医療部の取り組み~災害拠点病院の役割と活動」と題して講演した。 同病院は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を機に石川部長が中心となり災害救急医療の向上を進め、熊本地震、西日本豪雨、台風19号の水害、能登半島地震などの被災地に医師、看護師らを派遣して傷病者の対応や医療機関の支援に当たっている。 石川部長はそれらの現場の様子を紹介し、「災害医療は日常医療の延長線上」「地域医療を担い、被災した福島県の医療従事者だからこそできる災害医療がある」と説明。災害対応の取り組みによる地域再生、「安達災害強靱田園都市構想」を提案した。
国立病院機構本部DMAT事務局福島復興支援室の小早川義貴室長補佐が「災害時の人と環境の変化について」と題して講演した。 枡記念病院のDMATカーは4月に配備された。心電図モニターや除細動器、人工呼吸器などを備え、災害発生時に医師、看護師、ロジスティクス(業務調整)の5人前後のチームで出動する。自家水道システムは敷地内の専用の井戸から水を供給し、断水を防いで病院機能を維持する。 (県北版)