子どもの自己肯定感を高めたい…元教員女性が「福井大好きプロジェクト」 宝物ファイル使った独自取り組み、コンテスト実施
全国で子どもの自己肯定感を高めるプログラムの普及に取り組む元教員の岩堀美雪さん(64)=福井県鯖江市=が、本年度から「福井大好きプロジェクト」と銘打ち、県内で重点的に活動している。プログラムのテキストを福井向けに一新。「自己肯定感が高いと、地域への興味関心も強い傾向があるとの調査結果がある。福井が好きな子どもを増やして定着につなげたい」と意気込む。 【写真】自分の長所を書き「宝物ファイル」に入れる児童 プログラムは岩堀さんが教員時代に考案した。子どもが自身の長所や目標、地域の好きなところを書いた文章のほか、作文やもらった賞状など努力した思い出を一冊の「宝物ファイル」にまとめ、自己肯定感を高める。2000年から授業に取り入れ、退職後も普及に努めている。22年からは埼玉県の教材サービス会社と共同で、ファイルの作り方を紹介する子ども向けテキストを全国の学校に無償提供している。 本年度は、福井県の支援金などを活用し、テキストの表紙に北陸新幹線の車両のイラストを入れるなど県内向けに一新した。希望する県内9校に配布し、児童約千人が宝物ファイル作りに取り組む。 福井市下宇坂小学校では、全校児童25人がファイルを作製。岩堀さんが視察した7月初めの授業では3、4年生8人が「割り算が得意」「ゲームが強い」など自分の長所を書き出し、それぞれのファイルに入れた。4年の女子児童は「考えてみたら(長所が)意外にたくさんあってびっくりした」と話した。 今後は、宝物ファイルを使った取り組みをまとめた子どもたちの作品を募り、コンテストを実施する。入賞作品を紹介する小冊子を県内児童らに配布する考え。岩堀さんは「子どもたちの文章などを通して福井の良さを広く知ってもらえるようにしたい」と県外への発信も検討している。 × × × 岩堀さんは福井県のふるさと納税型クラウドファンディング(CF)で「福井大好きプロジェクト」の事業費を募っている。締め切りは10月31日。